第四百四十六話 妖怪達との出会いその七
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「よくご存知でと言っておこう」
「どういたしまして」
「じゃあわしは何者か」
栗の様な頭の形で細い目で蓑を着て杖を持っている妖怪だ。
「一体」
「油すましね」
「その通りじゃ」
油すましはアカリの返答に正解とした。
「やはり知っておるか」
「貴方も有名だしね」
「だからか」
「ええ、知ってるわ」
「じゃあわしはどうか」
頭だけの柿の様な妖怪だった。
「知っているか」
「たんころりんね」
アカリは即答で返した。
「そうね」
「如何にも」
「何か知らない妖怪殆どいないのかな」
赤い炎の中に顔がある妖怪だった、
「このお嬢さんは」
「そう言う貴方はたくろう火ね」
「僕のことも知ってるし」
「じゃあ僕は誰かな」
雨傘を被って昔の着物を着ている子供の姿の妖怪だった。
「わかるかな」
「雨ふり小僧ね」
「そうだよ」
「わしは言うまでもないか」
提灯が顔になっている妖怪である。
「最早」
「提灯お化けね」
「如何にも」
「何か今ここにいる人皆わかってるみたいだね」
一本足で剽軽な顔をした妖怪である。
「鬼太郎達以外のことは」
「それで貴方は呼子で」
「おいらのことも知ってるし」
「いや、本当によく知ってるな」
ねずみ男もここまで聞いて感心した。
「今ここにいる面子で知らなかったの猫娘だけじゃねえか」
「皆妖怪の図鑑に載ってるから」
それでとだ、アカリはねずみ男に答えた。そうしてそのうえでねずみ男に対してこう言うのだった。
「そうした妖怪さん達はね」
「皆知ってるんだな」
「そうなの」
「昔からいる妖怪は皆知ってるのね」
猫娘は腕を組んで言った。
「じゃあ花子さんも知ってるかしら」
「そちらの妖怪さんね」
アカリは猫娘の横にいるおかっぱ頭で城のブラウスに赤い肩から吊るタイプのスカートの少女を見て言った。
「そうね」
「そうよ、私が花子さんよ」
妖怪も方もそうだと答えた。
「やっぱり知ってるのね」
「わしはどうじゃ」
頭の先が尖った面長で着物を着た口髭の妖怪が言ってきた。
「知ってるか」
「鏡爺ね」
「やっぱり知ってるか」
「貴方のこともね」
「そうなのじゃな」
「今ここにいねえのは小豆組と白山坊達だけか」
ねずみ男は両手を頭の後ろにやって言った。
「あとまなちゃんとアニエス達か」
「皆まだアパートの方にいるぜ」
すねこすりが言った。
「小豆組と白山坊はな」
「そうなんだな」
「まなちゃん達は今は人間界にいるみたいだけれどな」
彼女達はというのだ。
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