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オズの木挽きの馬
第三幕その七

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「この下はね」
「成程ね」
「そこまで考えているんだね」
「忍者は隠れる者」
「だから忍ぶ者だし」
「こうした仕掛けも用意しているの」
 実際にというのです。
「忍者の人達はね」
「凄いね、一つのお部屋にこうした造りがあるんだね」
 モジャボロも感心しています。
「一緒に」
「はい、逃げる場所にです」
「隠れる場所も用意しているんだね」
「そうなんです」
「面白いね、じゃあね」
「はい、それではですね」
「穴を通ってね」
「先に、ですね」
「進んでいこうね」
 こうお話してでした、皆は今度はその穴を通ってです。
 書斎の向こうのお部屋に来ました、するとそこは茶室でこれまた行き止まりかと殆どの人が思いましたが。
 恵梨香は今度は茶室の中をじっくり調べてでした。
 回転してその奥に隠れる壁にでした。
 茶室の奥の壺が置かれている少し高くなっている場所の右の目立たない場所の回転する扉ちょっと見ると白い壁にしか見えないところにあるそれにでした。
 気付いて見付けて言いました。
「ここからでね」
「えっ、そこはわからないね」 
 今度は弟さんが言いました。
「流石に」
「そうですよね」
「幾ら何でもね」
「けれどなんです」
「それでもなんだね」
「はい、こうしてです」
「このお部屋にも通り道があるんだね」
「隠れる場所と」
 それと合わせてというのです。
「あります」
「そうなんだね」
「本当にこれが忍者屋敷で」
「色々な逃げ場所があるんだね」
「そうなんです」
 これがというのです。
「隠れる場所も」
「つくづく考えた仕掛けがあるね」
「そうですよね」
「それならだね」
「はい、この先に行きましょう」
 隠された扉のというのです、こうしてでした。
 皆はその先に進みました、すると。
 今度はお庭に出ました、ですが。
 お庭にも出口はありません、奇麗なお池と木々に岩そしてです。
 井戸がありました、今度ばかりはです。
 皆もこれは行き止まりだと思いました、ですが木挽きの馬は若しかしてと思って恵梨香に言いました。
「ここにもかな」
「きっと何かあるわ」
「それでだね」
「先に進めるわ」
「こんな場所でもなんだね」
「そうね、考えられるのは」
 恵梨香はお庭の中を見回して言いました。
「井戸ね」
「井戸なの」
「そう、多分井戸にね」
 そこにというのです。
「秘密があるわ」
「じゃあ井戸を見てみるんだね」
「そうしましょう」
「そう言えばもうオズの国に井戸はないわね」
 グリンダが言ってきました。
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