陰謀の渦
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出来なくなっていた。
(ま、まさか…まさかこいつ‥酒を飲ませたのも、鎌をかけて気を動転させて、その上で偽物の書類により私から自供を引き出したのも…)
「えぇ、全て計算通りでしたよ」
心の中を読んだかの様にクラウスはそう言った。
「嘘だ…この私が、魔法の使えぬ平民如きに!!!!」
そう叫びヴェルテュ侯爵は杖を持ち、クラウスを攻撃しようとした。
だが
「つ、杖が…」
何と腰にぶら下げていた筈の杖がなくなり慌て始めた。
すると
「お探しのものはこれですかな?」
「なっ!!」
何とヴェルテュ侯爵の杖は、クラウスの手の中にあった。
「どうして!?…まっ、まさか!」
「言った筈です、全て計算通りだと…」
実は先程ヴェルテュ侯爵の背後に回った時、クラウスはまるで熟練のすりの様にヴェルテュ侯爵の杖をこっそりと盗んでいたのだ。
本来メイジの命である杖を取られ失態などヴェルテュは絶対にしないが、酔っていた事もあり気付かなかった。
「さて、チェクメイトですよ侯爵…」
クラウスは勝ち誇った様にそう言った。
だがその瞬間
「クククク…ははははーーー!!!平民がいい気なって!それだけで勝ったと思ったのか!?物的証拠は何も無い!!あるのは平民でありこの国の部外者であるお前の証言だけ!!それだけの証拠なら私の力でどうとでもなる!!クラウス!!よく覚えておくのだな!!貴様の国はいざ知らず!!この国では力を持つメイジこそ全て!!いくらカラスが黒かろうともメイジである我々が白と言ったらカラスは白!!そう言う世界なのだよ!!!ハハハハハハーーー!!!良いだろう、投降しよう!さぁ、私を政府に突き出すが良い!!」
ヴェルテュ侯爵は高笑いしながらそうクラウスに言った。
すると
「成る程…確かに貴方言う通りですね…貴方を差し出してももみ消されるのが関の山でしょう」
「そうだ!!お前に勝ち目はな…」
ヴェルテュ侯爵がそこまで言った時クラウスのかけるメガネの奥に光る目がより鋭利な目つきになり、そしてこう言った。
「しかし貴方を生かせば我々の対外戦略の大きな障害になる…うん、逮捕が無理なら‥殺すしかありませんね」
「ころ…おい待て!!私を殺せば貴国とガリアは戦争になるぞ!!それでもいいのか…ぐふぉ!!」
クラウスの言葉を聞いたヴェルテュ侯爵は必死になりながらそう言ったが、その瞬間クラウスは先程足でへし折った椅子の足をヴェルテュの左脇腹に刺した。
「ガハッ‥くっ…」
「あぁ、脇腹に刺さってるソレ‥ぬかないほうが身のためですよ」
「く、くそ…」
「この世界の警察がどれほどの捜査能力を持っているかは知りませんが、死んだのが大貴族
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