最終章:無限の可能性
第269話「ただ突き進む」
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「じゃが、この世界からすれば、儂らも人間と変わりない。……与えられた役割のみを享受するなど、ただの停滞に過ぎぬ!」
そういった“性質”もある。
だが、だからと言ってそのままなのは、ただの“現象”に成り下がる。
「故に、儂らも殻を破らねばならん。人が限界を超えるように、儂らも“性質”を超克せねば先へは進めぬ。それを、彼奴はイリスを封印する事で示した」
彼奴……それは、神であった時の優輝の事だ。
“可能性の性質”は確かに一縷の希望すら掴み取る。
だが、本来イリスとの戦いではその一縷の希望すらなかった。
しかし、当時の優輝はその限界を超えた。
“可能性の性質”としての神の限界を超え、イリスを封印して見せたのだ。
「……長々と述べたが……なに、言いたい事は単純じゃ」
理力で薙ぎ払い、一度間合いを取って天廻は子供のような笑みを浮かべる。
「燃えておるのじゃよ。儂は、この戦いにな」
世界を守るため、自身の限界を超えるため、天廻はその戦いに身を投じる。
「……では、私達もこの辺りで」
「ああ。頼んだ」
さらにスフェラ姉妹も離脱し、再び増えていた追手を食い止める。
「さて、どこまで戦えるかですが……」
「やれる所まで、やらしてもらいましょうかねー」
出来るだけ引き付けたためか、追手はかなりの数だ。
しかし、その追手全てを、紅と蒼の二重結界で包み込む。
二人の“紅玉の性質”と“蒼玉の性質”による結界だ。
“性質”を利用しているため、そう容易く破壊する事は出来ない。
「動きが……!?」
「隙だらけですよー」
それだけではない。
“性質”を使った結界は、つまり仮の“領域”を展開している事になる。
敵の“性質”を問答無用で相殺し、相手の有利を許さずに戦えるのだ。
「私達には貴方達を正気に戻す術はありません。……お覚悟を」
加え、結界内の法則はスフェラ姉妹が基準となっている。
ありとあらゆる優位性を以って、二人は大群を相手にする。
「……さーて、後は人間の方達に任せましょうか」
「心苦しいですが……それに賭けましょう」
先に進んだ優輝達には、もう神界の神はついていない。
残ったルフィナとミエラも、途中で離脱予定となっている。
優輝と優奈は理力を扱えるものの、半分以上は人間のままだ。
神界の神と人間には大きな差がある。
その上でイリスに勝利する事を託すのは、不安があった。
「そうですねー。元々、相手を倒せば駆けつけていいとの話ですから」
「できる限り、早めに倒してしまいたいですね……!」
それでも、二人は彼らに託した。
き
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