最終章:無限の可能性
第269話「ただ突き進む」
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退いた司に、“天使”が一斉に襲い掛かる。
“祈り”なしでは、その一斉攻撃は防げないだろう。
それをわかっていて、“天使”達は襲い掛かっていた。
「なんの対策もしてない訳、ないよねっ!!」
……故に、司は“祈り”を開放する。
シュラインの柄で地面を突き、瞬時に魔力を爆発させる。
そこに、“祈り”によるタイムラグなど存在しなかった。
事前に“祈り”の魔法をストックしておく事で、“性質”に関係なく発動できる。
そのおかげで、先手を打たれても司は対等に戦えるようにしていたのだった。
「……ほう」
「今度こそ倒して見せるって、決めたんだから」
「事前に仕込んでいたか。だが、それで勝てるとでも?」
「やってみなくちゃ、わかんないよ!!」
再び魔力のみの身体強化で、今度は司から仕掛ける。
奏に続き、二人目のリベンジ戦が始まった。
「では、次は儂が行こう」
優輝達の方では、再び数が増してきた神々を天廻が引き受けていた。
「さて、これまでまともに戦ってはなかったからの。……手加減は出来んぞ?」
天廻を無視して進もうとする敵の座標を“廻し”、通さない。
仙人のような出で立ちである天廻は、とても戦闘に長けているようには見えない。
……だが、その身から発せられる威圧感が、決して弱くないと断言させる。
「人の子が決死の覚悟で戦っておる。なればこそ、儂も老体に鞭打ってでもひと踏ん張りせんとな。覚悟せい、イリスの手先に堕ちた者共!」
洗練された体術と共に、理力が迸る。
その力の出し方には、一切の無駄がない。
一撃一撃が、しっかりと敵を捉え、確実に“領域”を削っていく。
「ほれ、儂とて戦いの心得はある。……主らのような手合いは、以前も相手にした事があるんじゃよ。かつての、大戦でなぁっ!」
“喝”と、理力が迸り、一斉に飛び掛かった“天使”を悉く吹き飛ばす。
天廻はかつての神界での大戦を経験している。
イリスと直接戦った訳ではないが、洗脳された神々をかなりの数相手取っていた。
その経験がここでも生きており、安定した立ち回りで敵を捌いていく。
「魂を循環させ、世界の安定を計る。それが儂の神としての在り様。じゃが、それを脅かす事態となれば、儂も武器を手に取り、戦う」
理力の杖が斬撃や刺突を払い、返しの一撃で“天使”の胸に穴を開ける。
「“性質”などと、役目ばかりに囚われていては決して先は見えぬ。それを儂はかつての戦いで知った。儂らは確かに“神”と呼ぶにふさわしい力は持っておる」
放たれる極光を“廻し”、そのまま術者に返す。
その間にも、天廻の独白は続いていく。
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