最終章:無限の可能性
第269話「ただ突き進む」
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分断させた。
如何なる“性質”の持ち主といえ、これで祈梨を無視して進む事は出来なくなる。
「ほざけ!」
一人の神が、理力の槍を手に纏い、突貫してくる。
それを、祈梨は落ち着いて障壁で防ぐ……が、
「容易く破りますか……!」
その障壁は紙切れのように貫かれてしまった。
即座にその手を蹴り上げ、理力で吹き飛ばす。
「……私は、神としてはそこまで強くありませんからね……。久しぶりに、人間らしく戦ってみましょうか……!」
理力の槍を形成し、シュラインと同じ要領でそれを握る。
“領域”の削り合いではなく、白兵戦で戦うつもりだ。
「ぉおおおおっ!!」
「ッ……!」
再び“貫く性質”の神が仕掛けてくる。
先ほどと同じように、障壁を展開する。
「“貫く”に特化しているようですが……止められない訳ではありませんよ」
多重に展開した障壁は、その悉くが貫かれていた。
だが、多重に展開した事で勢いを削ぎ、止めていた。
理力は祈梨に届かず、障壁によってむしろ拘束される結果になっていた。
「はぁっ!!」
一突き。しかし、それはただの一突きに非ず。
“祈り”と共に放ったその刺突は、幾重もの槍となって敵を貫く。
さながら、ショットガンを放ったかのように、神に穴が開く。
「あらゆる“世界”が、貴方達の侵略に抵抗しています。……その“祈り”を、私も背負っているんですから、負けるはずがないでしょう」
そして、その刺突を起点に、既に用意していた“祈り”が発現する。
横殴りの流星群のように、極光が次々と神々へと放たれる。
さらに、祈梨を中心に極光が立ち上り、肉薄してきていた“天使”を纏めて呑み込み、最後に祈梨を中心に衝撃波を放って吹き飛ばした。
「さぁ……覚悟なさい!」
「ッッ……!!」
一方、祈梨によって転移させられた司は、“早い性質”の神と戦っていた。
“祈り”による行動はほとんど行わず、魔力による身体強化と“意志”のみで、“早い”攻撃を的確に捌いている。
「なるほど、無暗に隙を晒さないのは賢明な判断だ。だが……」
「っ……ぐ、ぁあっ!?」
放たれた極光を防ぎきれずに、司は吹き飛ばされる。
どの攻撃も“早い”ため、躱すのが間に合わないのだ。
「だからと言って、勝てる訳ではないぞ」
「それぐらい、わかってる……!」
予想通り、劣勢だと司は確信する。
このままでは、ここからの勝ち筋は見えないだろう。
やはり、天巫女の力とは切っても切れないのだと、司は心の中で嘆息した。
「本当、早いんだから……!」
飛び
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