最終章:無限の可能性
第269話「ただ突き進む」
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
私の役割は果たしたわ」
奏の目的はリベンジだ。
だが、役割自体は飽くまで足止め。
それさえこなしていれば、後は野となれ山となれだ。
……故に、奏に一切の焦りはない。
「後は、私が勝つだけよ……!」
「思い上がるなよ、人間……!」
そして、再び奏は刃を障壁へと叩きつけた。
「……!」
飛び退き、飛び退き、攻撃を躱す。
即座に足場を展開し、それを蹴って突き進む。
奏を囮にした後、再び優輝達は立ち塞がる神を無視して進んでいた。
「また数が溜まってきた……!」
「それだけじゃありません!」
「ッ!!」
祈梨の声と共に、葵が前に出てレイピアを振るう。
直後、レイピアを犠牲に理力の斬撃を相殺した。
「(“早い”……!)」
「逃さんぞ」
追いついてきたその神は、あまりにも“早すぎた”。
神だけではない。その眷属の“天使”も、また“早い”。
「ちっ……!」
「遅い」
優輝と優奈が創造魔法を使おうとするが、先手を打たれる。
創造魔法の発生箇所に理力を置かれ、相殺されてしまう。
「甘いっ!」
しかし、二人も負けてはいない。
相殺後に肉薄してきた“天使”を、後の先……カウンターで吹き飛ばす。
「足止めを食らう……司!!」
「わかってる!……でも、引き離せない!」
動きが“早い”ため、司が引き付けようにもそうはいかないのだ。
そして、悠長にそんな事をしていれば、他の敵に追いつかれる。
「天廻様!」
「わかっておる!」
そこで、祈梨が動いた。
天廻に声を掛け、空間を“廻す”。
先手を取られようと、空間そのものを“廻す”事で、僅かに一手遅らせる。
「対象指定……ご武運を、司さん!」
そして、祈梨が間髪入れずに“祈り”で司とその神達を転移させた。
「でも、追いつかれたよ!」
緋雪が“破壊の瞳”で追手の攻撃を相殺しつつ、そう叫ぶ。
結局、間に合わずに追いつかれてしまった。
しかし、祈梨がそのまま追手に向かっていく。
「ここは私が受け持ちます!」
「……わかった。行くぞ、皆!」
一つ一つの判断が命取りだ。
決して間違わず、即座に決めなくてはならない。
この場合の間違いは、下手に足踏みをする事。
足止めする仲間を信じて、優輝達はさらに前へと突き進んだ。
「さて、ここから先には通しませんよ」
残った祈梨がそう宣言し、同時に障壁が彼女の背後に出現する。
それは、“この先へは通さない”という“意志”の顕れだ。
最初に優輝達が神界に来た時と同じく、戦場を完全に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ