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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
槌矛-ふたつめ-
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倒したと思い油断しきっていた俺は行動するのがかなり遅れた

このままでは、あの質量武器を顔面にぶつけられてしまう…

「…!」

そう思ったが武蔵ちゃんがそれを許さなかった。
駆け、石の剣を簡単に弾き返してみせる。

「あ…ありがとう…。」
「勝ったからって油断は禁止!勝って兜のナントヤラって言うでしょ!」
「ごめん…。」

そうして怒られている間にスプリガンはゆっくりと身体を起こしていた。

「ま、トドメ刺しきれてなかったし。今のはノーカンってことで!」
「えっ!?」


踏み込み、スプリガンが石の剣を振り下ろすよりも速く刀を突く武蔵ちゃん。
その切っ先は俺が砕いた土手っ腹を突き抜け、
やつの核であろう精霊根を貫いたのだった。

「はい、これで十五。私の勝ち。」

ズズン…と地響きをたてスプリガンは今度こそ停止した。

「さーて今日のご飯は何かしら。」
「ま、待って!待ってくれ!」

刀を鞘に収め、手をパンパンと叩きながら武蔵ちゃんは村へと帰ろうとする。
だが待って欲しい。武蔵ちゃんが勝てた要因は彼女だけではないはずだ。

「ん?何?」
「ああやってトドメを刺せたのは俺のおかげとかじゃないのか!?俺が砕かなければ核だって突けなかった訳だし!」
「うーん…それはそれ。大事なのはそれまでの経過ではなく結果なのです。というわけで満場一致で私の勝ち!」

何がどう満場一致なんだ…。

「待て!待ってくれ!待ってください!!ここは引き分けで」
「勝負の駆け引きに引き分けはありません。」

勝ちは勝ち。
それを一切譲らず武蔵ちゃんは帰っていく。
でも…もし負けたら負けたであれこれ理由付けて引き分けに持っていこうとしそうだな…この人。
意地汚いし。

「…!」

このままではダメだ。
そう思った時だ

「うっ…!」

突然、耳をつんざくような咆哮。
思わず俺も武蔵ちゃんもとっさに耳を塞いだ。
地面はビリビリと震え、鼓膜は破れそうだ。
やがて咆哮はやみ、顔を上げると

「うそ…なにあれ…!?」
「…!」

有り得ないものを見た。
村の中央、そこには

「ドラゴン…だって!?」

遠くからでもその大きさが分かるほどの、巨大なドラゴンが降り立っていたのだ。

「行かないと…!」

迂闊だった。
ゴーレムを倒していくうちにだいぶ村から離れてしまった。
しかしあんなに大きなドラゴンだ。
飛んでいたら嫌でも目立つハズ…。
なのにどうして気付けなかった?
いや、そんなことはどうでもいい!
早く行かないと村の皆が…!!

「間に合ってくれ…頼む!」

突如現れたドラゴン。
胸に刻まれた紋章のようなものから只者ではないこと
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