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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
槌矛-ふたつめ-
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メイスへと武器を変えた俺はゴーレムを次々と砕いていく。
八体、九体、十体とバラバラに砕いていくのはどこか爽快感みたいなものを感じさせた。
「どんどん追い上げてくるわね…!じゃあ私もペースを上げましょう!」
意地汚いのか負けず嫌いなのか、夕飯がかかっていることもあって武蔵ちゃんは更に斬っていく。
とすると…今まで本気じゃなかったってことになるのか…。
「俺だって腹は減る!満足に食べて気持ちよく寝たいんだ!」
「ふーん、そう。じゃあ負けた人は床で寝るっていうのも追加で!」
「そんなのあんまりだろ!!」
振り下ろす力に怒りに似たものも加わり、もはや驚異ではなくなったゴーレムはどんどん死んでいく。
そして
「これで…ッ!」
「十五体目っ!!」
ゴーレムは全滅した。
後はそれらを率いていたリーダーであろうスプリガンのみ。
そして俺も武蔵ちゃんも倒した数は十四。
すなわち、こいつを倒した方が勝者となる。
「…!」
スプリガンは俺達の接近に気付くとその巨大な石の剣を横に振るう。
俺はその一撃をメイスで受け止めたが、武蔵ちゃんは軽い身のこなしで飛び上がると
「とったッ!!」
二つの刀がスプリガンの首を捉え、はねた。
はずだった。
「さすがに…そんなに脆いわけないわよね…!」
確かに斬った。
だが、スプリガンはゴーレム以上に硬く、武蔵ちゃんの攻撃ですら浅い傷をつけるのみだったのだ。
「なら…!」
力を込めて踏ん張り、受け止めていた石の剣をはじき返す。
予想外の反撃にスプリガンは大きくバランスを崩し、よたよたとふらつく
「これで…!!」
狙うは足。
渾身の力を込め、メイスの一撃を叩き込んだ。
するとどうだろうか。
斬ることに対しては滅法強くても、砕くことには弱かった石の巨人の足は簡単に砕けた。
片足になり、完全にバランスを崩して仰向けに倒れるスプリガン。
砂埃が舞い上がる中、スプリガンが空に見えた光景は
「おしまいだッ!!」
跳び、メイスを振り上げる俺の姿だ。
土手っ腹に強烈な一撃をおみまいされればひとたまりもない。
それはバラバラと砕け、もがくスプリガンは糸の切れた人形のようにパタリと動かなくなった。
「夕飯と寝床は…死守できた…!」
一安心し、もはやただの石の塊と化したスプリガンから降りる。
落ち着いて見てみると、俺はこんなとんでもないものを倒し たのかと改めて驚く。
「大和くん!」
「やったよ武蔵ちゃん!これで俺の勝ち…」
「そうじゃない!後ろ!!」
「…え?」
撤回しよう。
俺はスプリガンにトドメを刺していなかった。
いや、刺しきれていなかった。
振り向いた先には振り上げられた石の剣。
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