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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
槌矛-ふたつめ-
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右足に集中させ、ゴーレムを渾身の力で蹴飛ばした。
倒すわけじゃない。
これは時間稼ぎ。

そして俺は駆ける。
あるものを取りに。

「この紅い刀は俺が竹刀から無意識に生み出したもの…だとすれば…!」

この力の事は分からないが、ある推測を立ててみる。
走って取りに行くのは、武蔵ちゃんが斬り飛ばしたゴーレムの腕。
落ちているそれを素早く掴み取り。力を込めてその電撃を流し込む。

「当たってくれよ…俺の推測!!」

バチバチと迸る赤い電撃はゴーレムの腕を覆い尽くす。
やがてそれは変異し、姿を変え。

「…当たった!」

鉄の塊へと姿を変えた。

「あれは…!」

ゴーレムを斬り捨てながら、武蔵ちゃんは俺の方を向く。

「抜き身なのもそろそろどうかと思っててな。ちょうどいい"鞘"が欲しかったのさ!」

そう、その生み出された鋼鉄の塊、長方形のゴツゴツした鈍器は"鞘"。そして

「あれが鞘!?あれじゃ鈍器…それこそ鎚矛(メイス)じゃない!?」

第二の武器になりえた。

「お手並み拝見、といこうか!」

鋼鉄の鞘に紅い刀を納める。
ガチリとハマり、そう簡単には抜けなくなったそれは斬るものから叩き潰すものへと用途を変えさせた。

「叩き…潰すッ!!」

踏み込み、ゴーレムへ接近してメイスを振りかぶると、
脳天めがけその鉄の塊を振り下ろした。

「…ッ!!」

ゴーレムの頭が、身体が、砕かれ弾ける。
これまで苦戦していたのが嘘のように、あっけなくゴーレムは砕け散ったのだ。

「やれる…!これなら!」

肩に担ぎ、次なるゴーレムめがけ走り出す。
それを見てボーッとしていた武蔵ちゃんも

「成程…斬れないのならやり方を変えるまで…わざわざ刀にこだわる必要もないってわけね!これは私も負けられない!」

次々とゴーレムを粉砕していく俺を見て、より多くのゴーレムを切り伏せて行った。

「大和くん!勝負しましょう!」
「え?」
「相手より多く倒した方が勝ち!負けた方は夕餉の半分を勝者にあげること!」
「そ、そんな勝手なこと…!」

そういいかけるも武蔵ちゃんは目にも止まらぬ早さで駆けていき、あっという間に二体、三体と斬っていく。
俺だってお腹は空いてるんだ。
ムキになるのは子供っぽいけどここは負けられなくなってきた。

「悪く思うなよ…!俺の夕飯がかかってるんだ!!」

メイスを振るい、俺を囲もうとやってきた周りのゴーレムを一網打尽にする。

どうして、鈍器を思いついたのかって?
いいや、紅い刀ならここは鞘にもなる鈍器が必要になるだろうなって思ってな。
って誰に解説してるんだ俺は

「七…八!」

場面を戻そう。
刀から
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