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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
槌矛-ふたつめ-
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「何言ってるのかしら大和くんきっと空腹のあまり夢と現実の区別がついていないのね…。」
やめてくれ。
やめてくれよ。
「そこまで空腹の身とは…そうまでして湊の荷物を届けてくれたなんて…!よし、渚!」
リーダーの男が女の子の名前を呼ぶ。
「はい!」
「この方達は大層お腹を空かせているそうだ。兄からの贈り物もあるし今晩は少し豪勢にいくぞ!」
とまぁそんなことを言っちゃう始末。
ああ申し訳ない。
隣の武蔵ちゃんはニッコニコだが俺はもう罪悪感が込み上げている。
「それと空き家があります。粗末なものですがお使いください。」
「ありがと!それじゃ大和くん、行きましょうか!」
「…うん。」
リーダーも立ち上がり、こちらですと空き家へ案内してくれる。
そうして外に出て、周りを見渡す。
ここは"村"と言うべきだろうか。
簡素な掘っ建て小屋が並び、周囲は背の低い柵で囲まれた村。
話は聞いたが彼らはついこの前まで普通に暮らしていた。
だが世界は崩壊し、モンスターが住宅街だった場所を闊歩するようになり、彼らは逃げるようにしてかつての故郷を去った。
最初は100人ほどいたらしいが、ここにたどり着いた頃には生き残りは30人を切っていたという。
そして最初に俺達が会った女の子、渚ちゃん。
最初は祖父母、両親と共に逃げていたがやがて全員途中で息絶え、または自分達を庇って死んでいった。
兄は、唯一生き残った肉親だったのだ。
「…強いんだな。」
「…そうね。」
空き家に案内される途中、外で食材を切る渚ちゃんを見つける。
悲しむ表情はもう見せず、手伝うよという子供に笑顔を見せ、共に料理をするおばさん達とも楽しく会話しながら作業している。
兄を失って、悲しいはずなのに。
「何か…してやれないかな…。」
「充分したじゃない。こうして困ってる村の皆に色々な物を届けられたのよ?私だったらその場で食べちゃうかも?」
と、武蔵ちゃんからフォローされるがまだ何か足りない気がする。
果たしてそれでいいのだろうか?
そういった疑問符が俺の頭の中を埋めていくのだ。
「…でも、ちょっとびっくりしたかな。」
「え、何が?」
「大和くんの行動。余裕なんてないのに、見返りなんてあるかも分からないのに誰かを助けるんだもの。だから師匠としてそこには驚きました。」
褒められて…少しだけ嬉しく感じた。
そんな時だ。
「みんなー!!隠れろー!!」
「…?」
一人の男がそう言いながら走って行く。
何があったのだろうか…?
「何があったんですか?」
「モンスターの襲撃だ!くそっ!ここは安全だと思ってたのに…!」
そういって男は駆けていく。
皆に危険を知らせる為だろう。
けど
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