ホーネットと巡るブルネイ鎮守府探訪・1
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この鎮守府のエースだという金剛と、同じ国から来たという理由で選ばれたらしいアイオワとサラトガの案内で、この鎮守府の施設を巡る。これは着任早々またとない情報収集のチャンスね。
『ねぇホーネット、やっぱり工廠は後回しにしない?』
『何故?さっきも言ったけれど一番お世話になるかもしれない施設だもの、優先的にチェックしたいわ』
何故だか執拗にサラトガが引き留めてくるけれど、余程見られたくない物でもあるのかしら?アイオワと金剛は苦笑いしてるだけだし……もう、余計に気になるわ。なんて考え事をしながら歩いていたら、前から歩いてきた誰かとぶつかってしまった。
「sorry、考え事をしてて……」
「あ〜、ダイジョブ、ダイジョブ。ちょっとぶつかっただけだし……っとと」
「それにしては貴女フラフラよ!?」
「なははははは!心配ないよぉ、これはただの千鳥足……ちょいと気持ち良すぎて足に来てるだけさ」
言われてみれば私とぶつかった彼女からは酷くアルコールの香りがする。
「ま〜た昼間っから酔ってるんデスか?隼鷹」
「Hi、ジュンヨー!元気?」
「Hello♪」
「お〜、オワさんにトガちゃんも居るじゃん!って、アタシにぶつかったのは噂の新人さんかい?」
「えぇ、ホーネットよ。よろしく」
「へ〜ぇ、アタシは隼鷹。航空母艦だよ!宜しくな」
そう言って握手を交わす。
「ヘイ隼鷹、勤務中に酒は……」
「残念でした〜、今日はアタシ非番なんだよ〜ん。まぁ、昨日の晩から飲んでて今から寝るトコなんだけどさ!」
とフラフラしながら去っていく彼女の背中を見送りながら、気になった事を金剛に尋ねた。
『あんな状態で戦えるの?彼女』
『あれでもこの鎮守府の空母としては最先任なんです。普段の態度はアレですが、実力は確かですよ』
聞けば、今のカネシロ提督の体制になって最初に着任した空母が先程の彼女らしい。その長い経験値は推して知るべし、という事か。
『時間を取らせたわね。さぁ、早く工廠に向かいましょう?』
暫く歩いた後、目の前に巨大な倉庫の様な建物が出現する。中から工作機械の稼働する音がする……どうやら目的地の工廠に辿り着いたらしい。
『立派だなぁ……』
私の隣でサウスダコタがポカンと口を開けたまま建物を見上げている。確かに、アメリカではまだ艦娘の配備数が絶対的に少ないから艦娘の開発を行っているのはこんな工場の様な場所ではなく、もっと小さい規模の研究所のような場所だった。
『ここは昔、艦娘の量産化に向けての実験施設だった物を再利用して鎮守府にしていますからね。近隣の鎮守府に比べても工廠の設備は大きいのです』
『へぇ……』
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