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おっちょこちょいのかよちゃん
98 護符の在処
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いた。友人の永沢と話している。
「藤木君、風邪、治ったんだ」
「うん、熱も昨日でやっと下がったよ」
「君、まさか歌うのが嫌でズル休みしたんじゃないだろうね?」
 永沢は変な勘繰りをする。
「そ、そんな訳ないじゃないか!」
「そうよ、藤木君がそんな事する訳ないじゃない!」
 笹山が近づいて藤木を庇った。
「藤木君はこの前の日曜、私や山田さんと歌の練習する約束してたのよ。でも、その時から藤木君が風邪引いてたって電話があったのよ」
「そうかい?君、卑怯者の上に嘘つきだからね」
「本当は笹山さんと練習したかったんだよ!熱が出て、それでも行きたかったんだけど母さんにも止められて、行けなかったんだよ!」
「そうよ、永沢君、酷いわ!」
「ふん、笹山がそう言うなら信じてやるよ」
 永沢はこれ以上は何も言わなかった。
「笹山さん、ごめんよ、練習行けなくて・・・。クッキーもありがとう。美味しかったよ」
「私も藤木君が元気になってくれて良かったわ。また、頑張ろうね」
「うん!」
 藤木が笹山に元気づけられる様子を見て遠目から見ていたかよ子も何故か安堵するのであった。

 休み時間、かよ子はまる子にたまえと話をする。話題は勿論東京にいる杯の所有者の事だった。
「昨日、りえちゃんから手紙が届いたんだ。そしたら関東のピアノコンクールでも優勝して今度は全国ピアノコンクールに出場するって書いてあったよ」
「りえちゃんが?凄いねえ〜」
「うん、凄いピアノ上手だもんね」
「お、懐かしい話してんな」
 大野が話に入ってきた。
「あ、大野君・・・」
「大野君、夏休みに会ったりえちゃんって覚えてる〜?」
「ああ、ピアノがすげえ上手い子だろ?あん時は杉山の奴が喧嘩しちまってよ」
「うん、そのりえちゃんがピアノコンクールの関東の代表になったんだって」
「おお、すげえな。あいつは将来ピアニストになりたいって言ってたもんな」
「また会えるかな〜?」
「きっと会えるよ・・・」
「うん、そうだよね!」

 そんなかよ子達の会話を杉山は遠くから聞く。大野が会話に入って来て、あの強気な東京の少女の話をしていたのが聞こえた。
(あいつ、頑張ってんだな・・・。喘息とかを気にしないで・・・)

 そして放課後はいつものように合唱の練習だった。その間、異世界の人間が埼玉県、千葉県、神奈川県の各地で暴動を起こした。
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