97 ピアノで練習
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だと思うわ。お菓子作りもまだ一人で何でもできるわけじゃないし・・・」
笹山は謙遜した。
「そ、そうなんだ・・・」
ピアノと聞くと、かよ子はふと東京にいる杯の所有者の事が頭に浮かんだ。彼女もピアノが好きでピアニストを目指している。いつの日かの前のピアノのコンクールでは優勝して、関東代表になった。ついこの間、赤軍と組んだ東アジア反日武装戦線の人間に襲われたが、隣人のおばさんの次女の介入もあり何とか救われた。彼女は今どうしているのだろうか・・・。かよ子は心配になった。
「山田さん、どうかしたの?」
「あ、いや、ボーっとしちゃったよ。ははは・・・」
かよ子は慌てて誤魔化した。
「あ、かず子」
笹山の母は娘を呼ぶ。
「今日来れなかった藤木君にもクッキーを分けてあげに行ったら?藤木君も今日来る予定だったでしょ?」
「うん、そうね、私も同じ事を考えてたの」
「それがいいね。藤木君も喜ぶよ」
かよ子と笹山はその後、練習の続きを20分ほど行った後、笹山家を出る事にした。かよ子は帰宅の為に、笹山は藤木の家へクッキーを届ける為に。
「藤木君、元気になってくれるといいな」
「笹山さん、もしかして、笹山さんも藤木君が好きになってるんじゃ・・・?」
「え・・・!?」
笹山は動揺した。
「い、いや、そんな事ないわよ。私はただ、藤木君の事を友達の一人として大事に思ってるだけよ・・・」
「そうなんだ・・・」
途中の分かれ道、かよ子と笹山は別れた。
「じゃあね〜」
藤木は笹山に遭えずに寂しく、安静にしていた。
(笹山さんに遭いたかったのに・・・)
その時、ドアのインターホンが鳴った。藤木の母が出る。暫くして、母が部屋に入って来た。
「茂、笹山さんがアンタにクッキー持って来てくれたよ」
「笹山さんが・・・!?」
「うん、茂の事、心配してたよ」
藤木は笹山が自分の事を心配しに来てくれた事に感謝の意を示すのだった。
(笹山さん、ありがとう・・・!!)
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