97 ピアノで練習
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動き出す恐れもあるかもしれないの。今の本部ではいつ突き止められるか分からないから攪乱させるのよ」
「ですが、あの異世界との入とは離れてしまうのですが、大丈夫ですか?」
「心配ないわ。向こうには出入口の場所を伝えておいたから、新しい本拠地の近くに移動してくれるわ。そして本格的に護符の在処を見つけ出させてもらうのよ」
「はい」
赤軍達はレバノンへと向かった。
日曜日、藤木は頭がクラクラしていた。更にはいつもより鼻が詰まるし、くしゃみも止まらない。おまけにいつもより寒気がする。
「茂、大丈夫かい?顔赤いよ」
母が心配する。
「へ、平気だよ。それに、今日、笹山さんちで一緒に歌の練習するんだ・・・」
「何言ってんの!熱計りなさい!」
藤木の母は体温計を用意した。藤木の熱は37.9℃だった。
「熱もあるじゃない。残念だけど、笹山さんには私から連絡しておくから今日は休みなさい!」
「そんな、嫌だよ!」
「我儘言うんじゃないよ!寝てなさい!!」
結局藤木は最高の日になると思われたこの日曜が風邪のせいで全てが台無しとなってしまった。
(笹山さんに会いたかったのに・・・。歌の練習、一緒にしたかったのに・・・)
藤木は布団に包りながら泣くしかなかった。
かよ子は笹山の家に来ていた。
「笹山さん、こんにちは」
「こんにちは、山田さん。それじゃあ、練習頑張ろう」
「うん、あ、藤木君は?」
「それが、藤木君、風邪ひいちゃって来られなくなっちゃったんだって」
「そうなんだ・・・」
かよ子は藤木が気の毒に思った。なにしろ折角好きな女子と一緒に練習できるチャンスだというのに感じな時に風邪を引いてしまうなんてとても運が悪いとしか言いようがない。
「藤木君、心配だね・・・」
「ええ・・・」
笹山も藤木が心配に思った。まさか藤木が練習が嫌で仮病でも、と邪推したが藤木は自分が好きなんだから寧ろ喜んで来るはずである。
(そうよね、私の考えすぎよね・・・)
二人はピアノを使った練習を始めた。ピアノがあると音程が分かりやすくていい練習になる。
「山田さん、音も結構合ってるわ」
「ありがとう。笹山さんもいい声だったよ」
「ありがとう」
笹山の母が部屋に入って来た。
「二人共、少し休憩しましょう。お茶の準備ができたわよ」
「あ、ありがとうございます・・・!!」
かよ子は紅茶とクッキーを御馳走になった。
「このクッキー私とお母さんで作ったのよ」
「うわあ、凄いね」
「私、お菓子作るの大好きで、今度ケーキも作ろうかなって思ってるの」
「笹山さんはピアノ上手いし、お菓子も作れるし、おっちょこちょいの私と大違いだよ・・・」
「そんな事ないわよ。ピアノなら私よりも城ヶ崎さんとか穂波さんとかの方が上手
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