警察官まで……
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
には、ウィザードのキックストライクにも近いものを感じた。
「太阿之剣!」
可奈美の千鳥より放たれる、赤い光の刃。それとバーサーカーの飛び蹴りが、ファントムとヒョウの怪人に同時に炸裂。爆発により、その二体は消滅していった。
「……」
可奈美の隣に着地したバーサーカー。ゆっくりと見上げた彼の黄色のゴーグルと、それを透かして見える赤い眼差しが、可奈美の瞳に映る。
そして、
「た、助かった……」
さやかの気の抜けた声が聞こえた。
「……ねえ。あなたは、一体誰なの?」
「……」
だが、バーサーカーは何も言わない。
静かな獣に対し、可奈美は尋ねる。
「ねえ。……あの動き……もしかして、あの怪物と同じ」
その時。可奈美の言葉はふさがれた。
「俺をアマゾンなんかと一緒にするな!」
すさまじい剣幕で、バーサーカーが迫る。胸倉を掴み、ぐいっと
「俺は人間だ! 次そんなことを言ったら……許さない……!」
「う、うん……」
黄色のゴーグルに隠された表情。言ってしまえば仮面の顔だが、それは可奈美には、まるで人間が怒りを示しているものと同じに見えた。
やがてバーサーカーは、可奈美から手を離す。一瞬目線を下に向け、可奈美の右手を見た。
「令呪……お前も、マスター……」
「そうだけど……」
「やめてよ……」
バーサーカーは、ふらりと可奈美から離れた。
彼は嘆くように顔を押さえる。
「俺は……俺は生きたいだけなんだ……戦いたくないんだ……っ!」
「見つけた!」
その時。廊下を走った、別の声。
「待って! バーサーカー!」
走ってくる、可奈美のサーヴァント。
友奈の姿を見たバーサーカーは、一目散にその場から退散する。窓をぶち破り、外へダイビングジャンプ。
「!?」
慌てて窓口に駆け寄る可奈美と友奈。だが、すでにバーサーカーの姿はどこにもなかった。
「バーサーカー……」
心配そうな友奈の声が、ビル風を突き抜けて可奈美の鼓膜を揺らした。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ