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Fate/WizarDragonknight
警察官まで……
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には、ウィザードのキックストライクにも近いものを感じた。

太阿之剣(たいあのつるぎ)!」

 可奈美の千鳥より放たれる、赤い光の刃。それとバーサーカーの飛び蹴りが、ファントムとヒョウの怪人に同時に炸裂。爆発により、その二体は消滅していった。

「……」

 可奈美の隣に着地したバーサーカー。ゆっくりと見上げた彼の黄色のゴーグルと、それを透かして見える赤い眼差しが、可奈美の瞳に映る。
 そして、

「た、助かった……」

 さやかの気の抜けた声が聞こえた。

「……ねえ。あなたは、一体誰なの?」
「……」

 だが、バーサーカーは何も言わない。
静かな獣に対し、可奈美は尋ねる。

「ねえ。……あの動き……もしかして、あの怪物と同じ」

 その時。可奈美の言葉はふさがれた。

「俺をアマゾンなんかと一緒にするな!」

 すさまじい剣幕で、バーサーカーが迫る。胸倉を掴み、ぐいっと

「俺は人間だ! 次そんなことを言ったら……許さない……!」
「う、うん……」

 黄色のゴーグルに隠された表情。言ってしまえば仮面の顔だが、それは可奈美には、まるで人間が怒りを示しているものと同じに見えた。
 やがてバーサーカーは、可奈美から手を離す。一瞬目線を下に向け、可奈美の右手を見た。

「令呪……お前も、マスター……」
「そうだけど……」
「やめてよ……」

 バーサーカーは、ふらりと可奈美から離れた。
 彼は嘆くように顔を押さえる。

「俺は……俺は生きたいだけなんだ……戦いたくないんだ……っ!」
「見つけた!」

 その時。廊下を走った、別の声。

「待って! バーサーカー!」

 走ってくる、可奈美のサーヴァント。
 友奈の姿を見たバーサーカーは、一目散にその場から退散する。窓をぶち破り、外へダイビングジャンプ。

「!?」

 慌てて窓口に駆け寄る可奈美と友奈。だが、すでにバーサーカーの姿はどこにもなかった。

「バーサーカー……」

 心配そうな友奈の声が、ビル風を突き抜けて可奈美の鼓膜を揺らした。

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