警察官まで……
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「……いる」
「え?」
彼から漂う警戒心。それに、思わず可奈美は口を噤んだ。
「いる……アマゾン!」
「アマゾン?」
バーサーカーが動く気配を見せる。同時に、
警官の体に、異変が生じる。
「やめろ……ヤメロ……オオオオオオ!」
彼の体から噴出した蒸気。人間の体から鳴ってはならない音。
同時に、バーサーカーが可奈美から離れていく。ファントムを殴り飛ばし「痛え!」、警官へ飛び掛かる。
そして。
警察制服が、バーサーカーの手刀を受け止める。だが、人の手ならざるものの持ち主は、さっきまでの警官ではない。
「_____」
理性の飛んだ、ヒョウの姿の怪物だった。
「え!?」
すぐそばのさやかと恭介は、同時に驚く。だが、ヒョウの怪人は、バーサーカーをスイング。その拍子に、さやかと恭介を薙ぎ倒した。
投げられたバーサーカーは、そのままファントム、さらにその直線状の可奈美と激突。三人まとめて壁に打ち付けられる。
「うっ……!」
痛みに支配されながら、可奈美はヒョウの怪人が、そのままさやかを襲おうとするのを目撃する。
「ダメっ! ……八幡力!」
御刀より齎される、超常の身体能力。常人には到達できない力だが、それでものしかかる二体の異形を退けることは適わない。
そして、さやかが襲われる。まさにその時。
「さやか! 危ない!」
少女を突き飛ばした、患者の少年。
彼の腕___音楽家として、バイオリニストとしての生命線___が、すぐさまヒョウの牙の餌食になる、まさにその時。
竹の塊が、腕と怪物の間に挟まる。その形状を竹刀と認識した可奈美は、それが粉々にかみ砕かれている間に、腕を引っ込める恭介に安堵した。
「今の……」
竹刀が自然発生するはずがない。どこから来たのか。その答えは、廊下の奥。長い髪と白い不健康そうな肌の少女が、物を投げたままのポーズでいた。
「可奈美さん!」
自分の名前を呼ぶ少女。
すると、ヒョウの怪人が、目標をひ弱な少年から、食事を妨害した不届き者へ変更した。
刀使でも目を見張る速度。しかも、復活したファントムが妨害しようと攻撃してくる。
「オラァ! 無視すんじゃねえ!」
ファントムが回り込み、可奈美と刃を交わす。
「どいて! あの子が……!」
「別にあの化け物が絶望させてくれても構わねえよ! それでファントムが生まれんならなあ!」
「くっ……」
「ああああああ!」
「お前も動くんじゃねえ!」
さらに、ヒョウの怪人へ挑もうとするバーサーカーに対し、可奈美を投げ飛ばした。
「ダメッ!」
もう間に合わない。ヒョウの怪人が今まさに
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