暁 〜小説投稿サイト〜
おっちょこちょいのかよちゃん
96 三たびの特訓
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 三河口はクラスメイトの濃藤、北勢田に自分の従姉とその夫が東アジア反日武装戦線および日本赤軍メンバーの拘束に貢献していた事を言った。
「マジかよ、お前の従姉がか・・・」
「ああ、その時、かよちゃんの『杖』や名古屋の従姉の『護符』と同じ位の能力(ちから)を持つ『杯』の所有者の女の子とお会いしたって事だ」
「ああ、それ、妹も言ってたな。隣町の学校の女の子が不思議な杯を持ってる子と会ったなんて事を聞いたって」
 濃藤が妹の言葉を思い出すように言った。
「ああ、だが、その杯の所有者がいる東京と同様、清水も標的とされているのも確かだ。文化祭の時も襲って来たからな」
「ああ、そして一つ問題がある・・・」
「問題って?」
 北勢田が聞く。
「広島にあった剣は赤軍に奪われたし、杖はこの静岡・清水、そして杯は東京にある。残りの護符は杖と同じく元は清水にあったが、おばさんが名古屋の従姉に持たせたので在処は名古屋に移っている。これについて奴等はその事実を把握しているのか、いないのか。もし知ってたら、次はその護符をいただきに名古屋の従姉へ襲撃にかかるだろう。知らなければ護符を狙いに異世界の人間を送り込んで捜させるかもしれん」
「それじゃ、奴等はまた色んな所で暴れ始めるって事か?」
「そうなるな」
 濃藤も北勢田も三河口の考察に異議はなかった。

 日本赤軍の総長・重信房子は己が繋げた異世界との出入り口に向かう。
「レーニン様」
「重信房子か。何の用だ?」
「只今苦労しております異世界の最強無敵の武器である杖、杯、護符のうち、杯は東京に、杖は静岡にあるのですが、護符の場所が分からないのです。そこで、そちらの方々に協力をして頂いて捜索をお願いしたいのですが」
「捨て駒に使うつもりか」
「いえ、見つけるだけです。護符の所持者の場所が分かればそこを徹底的に狙います」
「分かった。また一人でも失えばこちらも戦力が低下すると思え。こちらも人員が無限という訳ではないからな」
「はい、気を付けます」

 かよ子は風呂の中で「大きな古時計」の独唱部分を歌っていた。自分が最も目立つところなのでおっちょこちょいしたら恥ずかしい。そうしない為にも放課後、家に帰った後でも練習するのだ。
「おじい〜さんの〜、生まれた朝に、やって〜来たとーけいさ〜。今は、もう、動かない、その、とーけーい〜♪」
 かよ子は息継ぎを間違えたかなと自己反省していた。あまりにも長湯していると湯が冷めて両親に申し訳ないので、もう風呂から出る事にした。
(それにしてもこの猛練習、運動会以来だな・・・。それに・・・)
 かよ子は自室に戻る。母から継がれた物であり、異世界の中で最上位の能力(ちから)を持つ杖を見た。
(その前はこの杖を使いこなせるように練習してたんだっけ・・・。それに先月
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ