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リリなのinボクらの太陽サーガ
夜闇クライシス
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「ほらぁ、フーちゃんビックリして泣いちゃったじゃん」

「ご、ごめんごめん! ほ〜ら、よしよ〜し! 驚かしちゃってごめんね〜」

「……はぁ」

……なんか妙に恥ずかしいですが、時間的にも確かに起きるべきでしょうね。ただ、それはそれとしてこの水色の髪の人にはちょっと不満げな顔は向けておきます。

「な、なんだよぉ〜。そっちの子もそんなに怒らなくたっていいじゃんか〜。これでもあたし、結構ビビりなんだからな!」

「それ、胸張って言うことですか?」

「好きな事や苦手な事がはっきりわかるって、結構大事だぞ〜? 自分の事がわかってる証拠なんだしさ!」

「自分の事がわかってる証拠、ですか……」

考えてみれば、私はそもそも自分のことがわかっていないのかもしれません。私は何が好きなのか、何がしたいのか……そういう確たる自分を持っていなかったから、クラウスの記憶に飲まれてしまったのでしょう。少しばかり癪ですが、彼女の言ってることは忠告として受け止めておきましょう。

「自分の事……か」

シャロンさんがそう呟くと、部屋の洗面所に備え付けられてる鏡で自らの姿を眺めつつ、

「私はシャロン・クレケンスルーナ、ニダヴェリールの月下美人だ」

「なんで鏡相手に自己紹介してるんですか?」

「……」

その質問に、シャロンさんは何も答えてくれませんでした。

「ところで君、全裸グラップラーってあだ名は欲しい?」

「全力で拒否させていただきます」



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