夜闇クライシス
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…!」
「お生憎様、私はそう簡単に死ぬわけにはいかないんだ!」
「まぁ昔ならともかく、今ではあなた達に殺されるのが気に喰わないってのもある」
「そもそも訳が分かりません……! あなた達は闇の書における被害者と加害者、決して交われる間柄ではないはずなのに、なぜ手を組めるのです? なぜ共にいられるのです!?」
「貴様がそれを言うか、と怒りたいが……」
「報復心を生みだしてばかりのあなたにはわからないよ。報復心の先で見つけた夜明けの道は、あなたには見えやしない」
「減らず口を……!」
“夜明け”……闇を拭い去り、夜天の魔導書の管制人格に戻った私が“夜明けの道”を進むとは、シャロンも随分と面白い言い回しをするものだ。薄々思ってたけど、マキナが理系寄りの思考をしていたのに対し、シャロンは割と文系寄りなんだな。
しかしポリドリには私とシャロンの関係が新たな境地に達していることが理解できないらしく、何度も訳がわからないと繰り返す。さっきからシャロンが度々行う挑発や煽りのおかげもあり、相手の冷静さを完全に奪っている今、この状況は言ってみればポリドリの詰みとも言えた。なぜならシャロンは先程の“天よりふり注ぐもの”でデバフを次々与えられるから、ポリドリはその発動を阻止するために優先して彼女を狙わなくちゃいけない。しかし彼女の回避盾的防御はかなりのもので、その上カウンターも使えるから弱体化してる状態で倒すことは至難の業だ。とはいえ彼女が与えるダメージは少ないから、私がアタッカーを務めるのだが、私を先に倒そうとすればシャロンが散々弱体化させてくる。そうなれば奴は完全に打つ手を失う。
こうして共に戦うとよくわかるが、シャロンがいるとあらゆる面で戦闘が有利になる。彼女一人だと生き残るのはともかく相手を倒すのが大変だが、ケイオスのようにアタッカーを務める仲間がいれば勝率は一気に跳ね上がる。自分が一騎当千になるのではなく、味方が一騎当千できるように仕立て上げるタイプだ。ハッキリ言って、こういうタイプを敵に回した場合、戦術を崩せなければジリ貧で敗北が確定する。よって、ポリドリが追い込まれるのは戦術的に見れば必然であった。
ともかく、このまま事がうまく運べば敵の大将を討ち取れるかと思ったのがフラグだったのか、割れた窓から入ってきた冷気で頭が冷えたせいで追い込まれているという状況に気づいたポリドリは、私達の攻撃を逆に利用してわざと吹っ飛ばされることで扉を破壊し、外にいた大量のスケルトンを室内に招き入れてしまった。ついさっき戦術を崩せなければ〜なんて言った私だが、大量の増援はこの戦術が崩れるのに十分な脅威であった。
「フフフ……ウフフフ! 形勢逆転ですね! 小癪な能力を持っていようが、アナタ達如きがこの数のアンデッドを相手にするのは
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