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リリなのinボクらの太陽サーガ
夜闇クライシス
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の防御はある意味それと対極だ。

防御を堅くするのは確かに有効だが、いくら堅くしても無限に耐えられる防御は無い。絶え間なく攻撃を受け続ければいつか崩壊し、本体も倒れる。だが、初めから攻撃に当たらなければ本体が倒れることはない。そのために防御が柔らかいというリスクを背負う代わりに、堅い盾役を上回る活躍が可能になるのが回避盾というものだ。シャロンの戦法は、そういう回避盾に似た傾向が見られる。

「クッ、なんて面倒な戦い方を!」

「面倒なのはお互い様。さっき、あなたはサイコキネシスで自分自身を動かしていた。だからあんな訳の分からない動きができたんだ」

そうか、つまりゴーレム使いが自分の体を操ることで肉体の限界を超えて動けるようになるのと理屈は同じか。そしてその技法は体を壊すので現代では推奨されていないが、古代ベルカの時代では頻繁に使われていたし、イモータルは体を壊すとか関係ないので普通に使うのも納得できた。

「でもそれを封じた今、あなたの動きは人間のそれからあまり逸脱しなくなった。そんな訳で手品のタネが無いのに舞台に引きずり出された気分はどう、ペテン師さん?」

「このワタクシを相手にそんな思い上がりが許されるとお思いですか、この人間風情がぁ!!」

と、彼女の防御を強引に打ち砕こうとしたポリドリに対し、シャロンは水面に映る月のように姿が揺らいだかと思うと次の瞬間、ポリドリの膝に一閃を入れた。渾身の攻撃を容易く回避された上に崩し(ブレイク)を入れられ、その直後転倒(ダウン)を促す攻撃を続けて喰らい、ポリドリは反撃を想定していなかったこともあって為すすべなく転倒する。

「こ、このワタクシにこんな惨めな恰好をさせるとは……!」

屈辱のあまり怒り心頭の表情を見せるポリドリだが、残念なことに今のシャロンのコンボだけでは大したダメージにはなっていなかった。だが、シャロンに視線を向けるということは、後方にいる私を見ていないということでもあった。

『不本意でも彼女は戦いに身を置いている。だというのに、あなたはいつまでそうしてるの?』

「そうだな……こんなザマじゃあまりに情けない。少しはシャロンにいいところ見せないと、カッコ悪いな!」

先程痛めつけられた借りも込めて渾身の切り上げを放ち、同時展開した魔力弾で追撃してポリドリの体を長時間、宙に打ち上げる。私は切り上げた時の勢いのまま飛行魔法でポリドリより上に跳びあがると、弓を引くように右手の刺突剣を構え、矢の如く貫いた。とっくに倒したと思い込んでいた私からの怒涛の攻撃を受けて、相当のダメージと共に落下したポリドリは凄まじい疲弊と苛立ちを見せてゆっくりと立ち上がってくる。

「グァッ!? この……どいつもこいつも、大人しくやられていれば……苦しまずに逝けるものを…
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