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リリなのinボクらの太陽サーガ
夜闇クライシス
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スリングショットを撃つように私の体は凄まじい速度で一直線にぶっ飛んで壁に激突、全身をびたんと打ち付けてしまう。衝撃で飛行魔法の制御ができず床に転がるが、それで敵の攻勢が終わった訳じゃない。すぐさまサイコキネシスで再び拘束された私は身動きが取れないまま、何度も壁と天井に叩きつけられる。

「ぐ、うぅ……! まだ……倒れる訳には……!」

「これだけ痛めつけて、まだ意識を保ちますか。そのタフさだけは認めてあげますよ。しかし……」

「ガッ!?」

ポリドリはサイコキネシスで私の首を絞めてきた。そのせいで呼吸ができないどころか、首の骨格もミシミシ悲鳴を上げ、酸欠と痛みで意識が遠のいていく。

「このまま首をへし折ってしまえば、例えあなたであろうと確実に―――」

その時だった。ポリドリの周囲に計8本の青白い光の矢が出現し、奴に向かって次々と降り注いだ。どうやらダメージを与える攻撃では無かったため、ポリドリは不可解な表情を浮かべつつ、今の光の矢を放った下手人に視線を向ける。

「おやおや……月詠幻歌の歌姫さんは、意味のない演出が好きなようですね」

「ハールートの紋章で覚えた“天よりふり注ぐもの”……これをただの演出だと思うなら、そう思えばいいよ」

「しゃ、シャロン……! 逃げろ……!」

「フフフ、私のサイコキネシスの前から二度も逃げられるとは……む!?」

ポリドリが急に驚愕の表情を浮かべ、ゆらりと立ち上がったシャロンに向けて「一体何をした!?」と問いかける。この時、私も自分が呼吸を取り戻して、かつ言葉を発することが出来ている現状に気づき、ポリドリに生じた異変に……いや、シャロンが放った“天よりふり注ぐもの”が与えた効果を理解した。

「今のあなたにはパワーロス、力を弱体化させる効果が働いている。お得意のサイコキネシスも、今じゃ小石一つ動かせない」

「な……! おのれ、人間風情が小癪な真似を!!」

サイコキネシスが駄目ということでポリドリは直接レーザーブレードで斬りかかる。対するシャロンは民主刀を鞘から抜くと……、

「(水鏡の構え……!)」

ポリドリから繰り出される斬撃を次々とさばいては反撃の一太刀を入れていく。それはシールドのように攻撃を止める鉄壁の防御ではなく、どれだけ攻撃されても当たらないようにする技法の防御。戦闘中に不謹慎かもしれないが、その剣舞から放たれる様々な音は川のせせらぎの如き心地良ささえ感じられた。

“回避盾”という言葉がある。元はMMORPGで生まれたらしい用語なのだが、そもそも盾役ないしタンク役というのは敵の攻撃を一手に引き受けることで、味方に攻撃を向かわせないようにする役目がある。故に盾役は重装備で防御力を上げることで長時間耐えるのが一般的だが、回避盾
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