第百八十話 プールサイドの対面その十二
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「むしろ」
「そうなのです」
「いや、自覚しないと」
「ロシアでは本当にそうしたことが普通だったので」
「普通は違うでしょ」
「少なくとも薩摩藩位ではなのです」
ターリャはアレンカールにピロシキを食べつつ話した。
「ロシアではましなのです」
「まだ緩いの」
「粛清もないのです」
「粛清はねえ」
アレンカールは焼き鳥の皮を食べつつ言った。
「ロシア革命からあったわね」
「そうなのです、そして動乱時代は」
「ああ、イワン雷帝が死んでから」
「もうカオスだったのです」
「文字通りによね」
「偽皇帝も出たのです」
殺された皇子がポーランドに逃れていたと言って出て来たのだ、そして実際に帝位に就いたのだ。ただそれは一瞬のことだった。
「そして貴族同士が殺し合い」
「帝位を巡ってよね」
「そして残ったものは」
それは何かというと。
「ロマノフ家だったのです」
「そこまでが大変だったのよね」
「そうだったのです」
実際にというのだ。
「民も沢山死んだのです」
「そうよね、というか本当にね」
「ロシアが特別なケースなのです?」
「ええ、そりゃ大抵の国で圧政があって」
そしてというのだ。
「独裁者も粛清もあるけれど」
「そして戦争では沢山の人が死ぬのです」
「けれどロシアはね」
その中でもというのだ。
「また凄いわね」
「ううむ、実はロマノフ朝もソ連も根強いファンがいるのですが」
「イワン雷帝もよね」
「はいなのです」
「まあその国それぞれの事情があるけれどね」
「ロシアにはロシアのなのです」
「それでもロシアは極端よ」
圧政や独裁者、粛清という面ではというのだ。
「本当にね」
「まあ日本でも島原とか無茶苦茶やったけどな」
芥川は島原の乱を起こしたこの藩のことを話した。
「ザ=悪政って感じで」
「あれはもう最悪でしたよ」
雪路も言ってきた。
「今だに語り継がれる位に」
「九州やとか」
「私長崎の生まれですが」
「島原って長崎県やったな」
「三万石なのに十万石って言って」
幕府にそう話してというのだ。
「そして幕府に気に入られようと色々賦役を申し出て」
「民にお金と人を出させたんやな」
「年貢は九公一民で」
「九割か」
これにはさしもの芥川も驚いた。
「そんなにか」
「しかも何かっていうと税金取って」
「年貢以外にか」
「年貢払えんと蓑踊りとか水牢送りでしたとよ」
「そこまでしてたか」
「それでその結果でしたとも」
悪政が祟ってというのだ。
「一揆が起こりました」
「島原の乱やな」
「あれが起こりました」
「全部悪政の結果やな」
「そうでした」
「薩摩藩もかなりやが」
「もうそこまで行くと悪政やな」
中里
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