暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第百八十話 プールサイドの対面その八

[8]前話 [2]次話
「そうだな」
「ヒンズー教の国やしな」
「我が国は宗教の数も多いがな」
「殆どの人がヒンズー教徒やな」
「そうだからな」
 それ故にというのだ。
「牛肉は食べない」
「牛は神様の使いやったな」
「その牛を食べる筈がない」
「それどころか大事にしてるな」
「そうしている」
「牛は素晴らしい生きものだ」
 サーヘニーも言ってきた、コーカロイドというよりかはアジア系それも日本人の昭和の感じに近い風の顔立ちできりっとしている。黒髪を右に流していて肌は薄い褐色だ。背は一七五程で引き締まった顔でダークグレーのトランクスタイプの水着を着ている。
「だからだ」
「絶対に食べんな」
「農業に貢献してくれて乳を出してくれる」
「食べるよりずっとやな」
「そうしたことに働いてもらった方がいいな」
「それでそっちでは食べへんな」
「おいにしてもだ」
 サーヘニーは野菜カレーを食べつつ言った。
「牛肉は食べない」
「カレーでもやな」
「そうしている」
「成程な、ちなみに僕はカツカレーを食べるつもりやが」
「はい、我が国にはないですから」
 タゴールは即座に答えた。
「日本のものです」
「そやったな」
「第二次世界大戦の後で出て来ましたね」
「そやった」
「プロ野球選手が考案したとか」
「千葉茂さんな」
 中里はここでハムサンドを食べ終えた、そして早速カツカレーをカレーの出店に注文してからタゴールに話した。
「巨人の二塁手やった」
「川上哲治さんに思うところのあったという」
「いや、川上さん好きな人ってあまりおらんかったみたいや」
「そうでしたか」
「色々あったらしくてな」
 そのせいでというのだ、俳優の丹波哲郎は軍隊時代彼が上官で随分なことがあったと語っていたという。
「それでな」
「好きな人はいないですか」
「評判はかなり悪い人や」
 人間としての川上哲治はだ。
「どうもな」
「そうですか」
「それで千葉さんだけやないわ」
「そうですか」
「まあとにかくその千葉さんが考えたのは事実や」
 そのカツカレーをというのだ。
「そのことはな」
「左様ですね」
「ああ、それでな」
「そのカツカレーをですね」
「今から食べるわ」
「カレーを食べると」 
 シェリルは焼きそばをすすりつつ語った。
「お酒は飲めへん」
「合わんからな、カレーとお酒は」
「そのせいで」
「そやな、どうしても」
「カレーはカレー、お酒はお酒や」
 中里も言った。
「それで楽しまんとな」
「あかんね、あとカレーはビーチで食べるとめっちゃ美味しいで」
 綾乃はハヤシライスを食べつつ言った。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ