第百八十話 プールサイドの対面その七
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「仲悪かったんちゃうんか」
「喧嘩する程やろ」
リーが冷静に述べた。
「つまりは」
「そういうことか」
「そや」
リーは焼き餃子を食べつつハムサンドを食べている中里に話した。
「悪口も言うてへんな」
「そやな、お互いに」
「そういうことや」
「というかこの二人が一緒になったら」
シャーデーも言ってきた。
「かなりの戦力やで」
「そやな、統一した時が楽しみや」
ゴーディマーは若芽うどんを食べつつシャーデーに応えた。
「ほんまにな」
「そやね」
「今は敵味方やが」
「やがて統一した日がな」
シャーデーは言いつつ焼き鳥を手に取った、そうして食べはじめた。
「連合と枢軸が」
「その時がな」
「確かに。僕達もです」
ここで言ったのはタゴールだった、今はチキンカレーを食べている。ヒンズー教徒なのでビーフカレーはご法度でそれを食べているのだ。
「その時も楽しみです」
「敵味方なのは今でな」
「やがては味方同士になりますね」
「そのことは間違いないからな」
中里はタゴールが食べているカレーを見つつ彼に答えた。
「そのことは」
「そうです、ただ今は敵同士ですので」
あちらの世界ではとだ、タゴールは笑って話した。カレーはスプーンを使って食べている。
「戦いとなれば」
「その時はやな」
「お互い全力で戦いましょう」
「スポーツの試合みたいに言うな」
「覇権を賭けた争いですので」
それが為にというのだ。
「そこはです」
「全力になるか」
「そうかと。ですがその戦争の後は」
「仲間になるな」
「その時は宜しくです」
「こっちこそな、それとな」
「カレーですか」
「自分がカレー食べてるの見たら食べたくなった」
そのチキンカレーをまだ見ている、そのうえでの言葉だ。
「ほんまにな」
「では次は」
「カレーを食べようか」
「そうされますか」
「ああ、次はな」
「カレーはいいものだ」
ヴァイドの体格はスタインベックにも匹敵した、紺骨瘤流の逞しい身体付きでしかも大柄だ。褐色の肌もその体格に似合っている。彫があるアクション映画のヒーローの様な面長の顔で髪の毛は短い。水着は青のトランクスタイプだ。
「実にな」
「それはインド人としてだけやないな、というか」
「そうだ、カレーは日本の料理だ」
「洋食の一つやな」
「インドに源流があったにしてもな」
「やっぱり日本の料理か」
「そうだ」
こう言うのだった。
「我々はそう思う」
「そやねんな」
「このカレーが我が国にあると思うか」
ヴァイドは海老フライカレーを食べつつ中里に問うた。
「そもそも」
「ある筈ないな」
「そういうことだ」
「まずビーフカレーなぞ有り得ない」
チャンダルは比較的
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