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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第268話「本番開始」
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テルとレヴィも笑い、各々の武器を握り直した。

「来い!イリスの尖兵どもよ!我らの世界へは、何人たりとも通さぬ!」

 刹那、転移してきた“天使”の一人が、ディアーチェに肉薄する。
 首元への理力の一閃。不意打ちに近いその一撃は、回避できず……

「遅いぞ、塵芥」

「ッ……!?」

「加え、周りも見えておらぬ」

 命中する前に、バインドによって止められていた。
 さらに、それを予期していたのか、レヴィが“天使”を切り裂く。
 加え、シュテルとディアーチェが展開した魔力弾が命中する。

「人間に負けるはずがないという驕り。それが貴様の敗因よ」

「ぁ、ぐ……!?」

 悲鳴すら上げさせないとばかりに、魔力弾とレヴィの斬撃が“天使”を襲う。
 “性質”も、僅かばかりにディアーチェ達の結界によって相殺されているからか、発動前に潰されていた。

「はぁっ!!」

「ぶっ潰れろ!!」

 ディアーチェ達以外も、各々“天使”や神を相手に戦っていた。
 どれもが一歩間違えれば敗北必至な相手だが、それと互角に戦い、追い詰める。
 間違いなく、ディアーチェ達の“意志”が敵を上回っていた。

「通らない……!?」

「通さないよ……!」

 本来ならば防ぎようのない攻撃。
 それを、“意志”によって相殺に持ち込む。
 不退転の覚悟を決めたその“意志”ならば、圧倒的地力の差を覆せる。
 意識せずとも、そんな“意志”を、全員が発揮していた。

「ぐ、ぉおっ!!」

「ただの、人間に……!」

 そうなれば、最早負ける道理はなかった。
 慢心は元からなく、油断もしない。
 どんなに勝ち目が薄くとも、その“意志”が負ける事を許さない。
 故に、どれほど苦戦しても、最後には敵を倒す事が出来る。

「……次!!」

 ボロボロになりながらも、クロノが次の相手を探す。
 イリス攻略作戦における戦闘。その本番は、ここからだと言わんばかりに。
 後を、優輝達に託すために、戦い続ける。














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