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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第268話「本番開始」
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“意志”で強さが左右される今、“盾の守護獣”を自負するザフィーラは、それこそ全ての戦闘行動が“盾”として作用する。

「ッッ……むんッ!!」

 その作用により、殴りつけるだけで防御と相殺を兼ねる事が出来る。
 “意志”と相まって、単純な出力差を埋めるが―――足りない。
 故に、さらに一歩踏み込み、第二撃を叩き込んだ。

「ふぅぅぅぅぅ………!!」

 極光は打ち払われ、ザフィーラは残心と共に息を吐く。
 そんなザフィーラに襲い掛かる影、その数三つ。

()った……ッ!?」

「読み通りだ」

「させないよ」

 転移と共に、“天使”が“性質”を振るって攻撃しようとしていた。
 しかし、すかさずシグナムとレヴィが割り込んだ。
 その“天使”は“切断の性質”を持ち、あらゆる防御すら切断してしまう。
 だが、側面からの攻撃にはその“性質”が作用されず、攻撃は弾かれた。

「疾うに、五体満足で攻撃を防げるなど、毛頭思ってないッ……!」

「ぎ、貴様……!?」

 残りの一人は、ザフィーラが左肩から先を犠牲に右手で首を掴んでいた。
 さらに、“鋼の軛”で全身を串刺しにし、少しでも拘束していた。

「がっ!?」

「ご……!?」

 直後、敵に攻撃をされる前に、“意志”の籠った攻撃が“天使”を襲う。
 シグナムが割り込んだ方の“天使”には、光輝と優香の魔力の一撃が。
 レヴィの方には、シュテルとクロノによる魔力弾が。
 そして、ザフィーラの方は―――

「吹ッ飛べ!!!」

 ヴィータがグラーフアイゼンによって頭を遥か遠くへと吹き飛ばしていた。

「術式起動!」

「まさか、早速使えるとはね!」

 間髪は入れない。
 すぐさま用意していた術式の三割を起動。
 残っている“天使”二名を滅多打ちにする。

「はぁあああっ!!」

「せぇいっ!!」

 そこへ、追撃。
 “意志”を込め、確実に“領域”を削る。
 ここまでの戦いで神界の者との戦闘にも慣れていた。
 反撃を許さず滅多打ちにすれば―――この通り。

「消えた……倒したぞ!」

「こちらもだ!」

 絵面としては、誘い込んでのリンチだろう。
 だが、そのおかげであっさりと“天使”二名を撃破した。
 残った一名も、戻ってきた時には体勢を立て直していたため……

「ば、馬鹿な……!?」

 二人の二の舞となり、倒された。

「ッ、来る!!」

 しかし、それだけで終わりではない。
 遠くから極光を放った者、或いは先ほどの“天使”の主が残っている。

「ぉおおおおおおっ!!」

 再び迫る極光を、ザフィーラがまたもや防ぐ。
 だが、今は片腕を失っている。
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