最終章:無限の可能性
第268話「本番開始」
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
καταφ?γιο”
詠唱の必要はない。これは、四人の意志表示だ。
その“意志”が結界に同調し、仮の“領域”と化す。
そこに理屈や理論はなく、ただ“意志”のみでその効果を発現させた。
それは、最早事象の創造だ。
「我や黒羽共が個々で展開した所で、さすがに複数の神に勝てるなど到底思っておらぬ。だが、我らの“意志”を束ねれば、その限りではないであろう」
「……それなら、あたしらも一緒にやった方がいいんじゃねーのか?」
四人の様子を、戦闘準備しながらも見ていたヴィータがついそう呟く。
「たわけ。四人に絞ったのは我らが飽くまで後方支援だからだ。前衛で直接戦う者にさらに負担は課せぬ。貴様らは、ただ目の前の敵を倒す事に集中すればよい」
「要は役割分担よヴィータちゃん」
「……わかった。最後の砦を任せるって訳だな。攻撃はあたしらが中心って事か」
ヴィータもベルカの騎士だ。
何が重要で、何をすべきかなどはすぐに理解できた。
周りも、それぞれどう立ち回るかを改めて考え、戦闘準備を終わらせる。
「さて、出来る限りの術式は仕込んだが……これの内、どれくらいがまともに機能してくれるやら……」
「半分機能すれば上場だろうな。奴らの殲滅力を前に、ただの魔法術式程度では気休めにしかならないだろう」
「……だろうね。ディアーチェ達の結界と違って、全部に“意志”は乗せられない。シグナムの言う通り、半分残れば良い方……か」
仮の“領域”と化した空間内には、夥しい程の魔法術式が刻まれていた。
しかし、そのどれもが普通の魔法によるものだ。
いざ戦闘が始まれば、ほとんどの術式が発動する前に消し飛ぶだろう。
クロノもそれをわかってはいたが、ないよりはマシだと判断し、仕込んでいた。
「なまじ、術式ばかり仕込むよりも“意志”の再確認の方がいいかもな」
「……そうね。私達の場合、それもいいかも」
光輝と優香も、それぞれ自身の“意志”を再度固める。
割り振られた役割を全うするため。
そして、自分達の子供が、ちゃんと帰ってこられるようにするために。
「結局は、そこに集約されるな」
「変に複雑に準備するよりわかりやすいよ」
「……そうだな」
時間は緩やかに過ぎていく。
しかし、神界では単純な時間は度外視される。
―――つまり
「ッ、ザフィーラ!!」
「承知!!」
神界の奥から、極光が迸る。
遠距離からの理力の攻撃だ。
それを防ぎに出たのは、盾の守護獣たるザフィーラだ。
「ぉおおおおおっ!!」
障壁を展開しつつ、全力の身体強化と共に極光を殴りつける。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ