こーひーぶれいく そのよん
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公園のベンチに、制服姿のアサキとカズミが腰を下ろして「出るものなくなったら負けゲーム」をしている。
カズミがびしっと人差し指を立てながら、
「『もしもまたきみに会えたら』『星空を飛べたらね』『嫌われても友達だ!』、さあどうだあ!」
分かんねえだろなあ、オリコン十位以上の曲なんて。
「んーー、あれかなあ、『ハツカレ』と『ぼくときみとのものがたり』」
とか?
「ひぁっ、なんで分かったあ? 残り二つともいわれるとは!」
まさかあたしが星川絵里奈で負けるとは!
2
「くそお、反撃だ。人間の身体で首がつくのはっ? 『首』『襟首』『喉首』『手首』『足首』さっ、アサキの番っ!」
「え、えーっ!」
アサキ、顔を真っ赤にして叫んだ。
あるよお、超有名なのが一つか二つさあ。
小声で追い打ち掛けるカズミ。
そ、そうじゃなくてえ……
ええーーっ。
3
「うーーーん。えーーーーっとお。えーーーっとおお」
アサキは腕を組み身を縮め、顔を茹で蛸みたく真っ赤にして必死な形相で唸っている。
「分かんないのお? 分かんないわけないわよねえ、アサキちゃあん」
にたああああああっ。カズミ、いやらしい笑顔である。
4
五分後。
周囲に、ガヤガヤ人だかりが出来ている。
アサキが地面にぺったん座り込んで、涙ボロボロ大泣きしているのである。
「ひ、ひど、酷いよお、カズミ、ちゃん、えぐっ、お、お、女の子、にっ、へっへっ変な、こと、えっ、えひっ、い、いわせ、よと、うくっ、る、るんだ、もん」
うえええええええん。
「本気で泣くなよおお!」
オロオロオロオロ、恥ずかしいやら申し訳ないやら困ってしまっているカズミなのであったのだった。
かいだんたいかい
1
和室大部屋の真ん中。
座布団に、浴衣姿の正香がすらり綺麗な姿勢で正座している。
でも顔はちょっと不気味で怖い。すぐ前に置かれたロウソクの灯りが、下から照らしているからだ。
向き合うように、ロウソクの反対側にはアサキ、治奈、カズミ、成葉、応芽が、やはり浴衣姿で座っている。
「タクシーの運転手が振り返ると、誰もおらず、シートがしっとり濡れ……」
という正香の話に、
「ぎゃああああああああ!」
アサキが青ざめた顔で大絶叫している。
そこまで怖いかよ。びびりだなあ。と、隣のカズミが呆れた感じにぼそっ。
2
今度はカズミが、みんなと向き合いロウソクに照らされながら、真顔で喋っている。
「お椀にお湯を注いだんだ、そしたら、触れてもいないのに、勝手
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