こーひーぶれいく そのよん
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部まで突き抜けよとばかりブチ抜いていた。首がもげるような容赦ない打撃に、顔面を醜くぐっちゃぐちゃに歪ませながら吹っ飛んだ。
4
チーン
うつ伏せに倒れて死んでいるアサキ。
スカートが激しくはだけて下着丸見えなのが、なんともみっともなく憐れみを誘う光景である。
「あースッキリしたあっ」
後ろ手に組んで伸びをしながら、カズミは満足げな顔で歩き去る。
「あ、あのっ、こちらはまるでスッキリしないんですが。初の、初の冠のはずなのに、初回なのに……出番が、出番がまったく……」
ぷるぷるぷるぷる、正香が青ざめた顔でアタマヲ抱えて震えている。
「ナルハもそうだったよお」
いつの間に来たか隣に平家成葉、慰めているのかなんなのか、ははっと楽しげに笑っている。
なつメロずきのあさきさん ― 完 ―
……って、あれ?
風流歌人のかずみさん
1
仮設舞台の中央に立つカズミを、舞台の袖に隠れるようにアサキ、治奈、正香、成葉、応芽、の五人が見守っている。
脇の立て札に勘亭流で書かれているのは、「天王台西公園夏祭り 川柳大会」
「つ、次っ、昭刃の番やでえ!」
「あああああカズにゃんのことだからあ、きっととんでもないのを詠むよお! ぜえーったいシモネタだよ!」
「そ、そ、そがいなったら全力で止めるんじゃ。アサキちゃんの巨大パンチとかっ」
「えーっ! そもそも誰がカズミちゃんなんかを推薦したのお?」
「アサキさんです……」
などと、舞台袖ではこそこそひそひそ。
2
観衆へと舞台上から軽くお辞儀をしたカズミは、より真顔になり、句の書かれた短冊を取り出した。
「読みます」
こほん。
3
「男の子 横からはみ出る……」
「巨大パアアアアアアンチ!」
舞台袖から飛び出したアサキが、魔法による濃霧に隠れながら浅間の鉄球のような超巨大化した拳でカズミを殴り付けた。
「へぎゃああ!」
がすっ ごつっ
吹っ飛ばされ、反対側の舞台袖の壁に頭をぶつけてぶっ倒れるカズミ。
4
「男の子 横からはみ出る虫のカゴ 宿題忘れて嗚呼夏休み」
落ちた短冊に書かれた文字。拾った治奈が、青ざめた顔でぼそり。
「まともな歌じゃ……センス最悪じゃけど」
「ご、ごめんなさあああああい!」
ぴくぴく痙攣しているカズミに、アサキは恥ずかしそうに顔を真っ赤にして謝るのだった。
― 完 ―
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