第三章
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順一を登山に釣れて行った、山に入って進むと。
順一は山登り自体は苦にならなかった、だが。
小さな身体でてくてくと普通に進む唯に驚いて言った。
「佐々さん平気なんだ」
「平気って?」
「だから山を登ることがね」
このことがというのだ。
「普通なんだ」
「だって休日は大抵登ってるから」
「慣れているんだ」
「靴も登山用だし昨晩はよく寝てるし」
こうしたこともあってというのだ。
「それでね」
「普通に歩けるんだ」
「ええ、赤城山も何度か登ってるし」
「知ってることもあって」
「それでなの」
「そうなんだね」
「うん、私運動は苦手だけれど」
それでもというのだ。
「山登りはよくしているから」
「普通に進めるんだ」
「そう、それじゃあね」
「頂上までだね」
「行こう」
唯は順一ににこりと笑って告げた、そうしてだった。
順に地を連れて行く様にして赤城山を登っていった、時々休憩してお茶や塩飴を口にしたが全て唯が言ってだった。
そうしつつ無理をしないで先に進むとだった。
昼過ぎに頂上まで来た、すると。
順一は頂上から見る景色に思わず感嘆の言葉を漏らした。
「うわ、凄いね」
「ここまで来た介あるわよね」
「うん、周りの景色がね」
赤城山の頂上から見るそれがというのだ、実際に緑の山々と白い雲そして何処までも続く青い空が実に奇麗だ。
「凄いね」
「そうでしょ、この景色を見ながらね」
唯は自分の横にいる順一に微笑んで話した。
「お弁当食べようね」
「それじゃあね」
「それでね」
「それで?」
「山登りはまだ続くから」
「頂上で終わりじゃないんだ」
「山を下りるまでがね」
それまでがというのだ。
「山登りだから」
「ああ、山を出るまでなんだ」
「だからその時までね」
「気を抜かないでだね」
「楽しんでね」
そうしてというのだ。
「行きましょう」
「そうだね、それじゃあね」
「ええ、最後までね」
こう言ってそうしてだった。
二人でまずはお弁当とお茶を口にしてだった。
暫く景色を楽しんでから山を下った、二人は下る時も景色を楽しんだ。そして山を下り終えて駅前に戻った時に。
唯は順一に顔を向けて彼に尋ねた。
「疲れた?」
「いや、殆ど」
順一は唯のその問いに素直に答えた。
「疲れてないよ」
「そうなの、よかったわ」
「やっぱりテニス部でね」
「テニスも激しいスポーツだしね」
「それやってるお陰だろうね」
唯に微笑んで答えた。
「それでね」
「大丈夫なのね」
「赤城山みたいな山登ったのははじめてだけれどね」
「よかったわ、じゃあまた一緒に山登ってくれる?」
「それ僕が言う言葉だよ」
「そうだった?」
「だっ
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