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胸が邪魔
第三章

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「困ってたし」
「それでなの」
「パットのブラの逆にね」
「小さく見せるブラもあるの」
「そうよ、あと部活で揺れて邪魔なら」
 それならとだ、母は娘にさらに話した。
「固定してくれるね」
「そうしたブラ着ければいいの」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「それならね」
「色々やり方があるのね」
「胸が大きいことで困ってるなら」
「そうしていけばいいの」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「重くて邪魔なのは確かでも」
 自分もそうであるからわかることだ。
「悪いことばかりじゃないわよ」
「そうなの」
「コンプレックスにはなってないでしょ」
 母は娘に菊菜と人参を食べつつ尋ねた。
「別に」
「それはね」
 娘は納豆の味噌汁を飲みつつ応えた。
「そこまではね」
「ただ重くて邪魔ね」
「そう思ってる位で」
「だったらもう慣れる」
「胸が大きいことに」
「そうなってもいいわよ」
 娘にこうも言った。
「それはそれでね」
「お母さんみたいに?」
「そうよ、お母さんもね」
 実際にとだ、母は娘に答えた。
「そうしてきたのよ」
「そうだったの」
「まあそこはあんた次第よ」
「そうしたブラを着けるか慣れる」
「どっちでもね、あと胸を小さくも出来るし」
「出来るの」
「ダイエットしたら」
 そうすればというのだ。
「胸は脂肪でしょ」
「あっ、ダイエットしたら脂肪から減っていくから」
「筋肉がついてね」
「そうなるから」
「だからね」
 それでというのだ。
「もうね」
「その時はなの」
「そう、本当にね」
 それこそというのだ。
「胸からね」
「減っていくのね」
「そうなるわよ」
「そうなのね」
「あんたは遺伝で大きいけれど」
 つまり自分の血だというのだ。
「けれどね」
「小さくしようと思えば」
「出来るし、だから胸のことはね」
「どうにかなるの」
「そうよ、背の高い低いよりもずっとね」
 それこそというのだ。
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