第二章
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「だからな」
「それでか」
「片倉ちゃんにコクるんだな」
「そうするんだな」
「ああ、正々堂々と正面からな」
こう言ってだった。
土佐は実際に朱奈にラブレターを書いて渡してそのうえで校舎裏で告白をした、その結果はというと。
「えっ、マジかよ」
「いいって言ってくれたのかよ」
「そうなのかよ」
「そうだよ、私でよければってな」
土佐は満面の笑顔だが意外といったものも顔に見せていた。
「言ってくれたんだよ」
「それはまた番狂わせだな」
「お前が片倉ちゃんと付き合えるなんてな」
「あんな美人と」
「それは凄いな」
「ああ、付き合うことになったからにはな」
それならとだ、土佐は今度は強い声で言った。
「俺もな」
「真面目にだよな」
「付き合うんだな」
「そうするんだな」
「ああ」
絶対にというのだ。
「俺は浮気はしないぜ」
「お前そこは真面目だよな」
「そうしたことについては」
「借りたものは返すしな」
「約束は守るしな」
「ああ、だから交際もな」
こちらのこともというのだ。
「何といってもな」
「絶対になんだな」
「守るんだな」
「そうするんだな」
「ああ、浮気はな」
それこそというのだ。
「しないからな」
「それじゃあな」
「しっかり恋愛やっていけよ」
「頑張っていけよ」
「それじゃあな」
「そうしていくな」
強い声で言ってだった。
土佐は実際に朱奈との交際をはじめた、朱奈は確かに服装は男のものであったが心はまさに大和撫子で。
謙虚で穏やかで優しかった、それでだ。
土佐は昼に食堂で一緒に食べている時に朱奈に言った。
「朱奈ちゃんのお家って躾とかは」
「厳しいの」
「ああ、やっぱりな」
「わかるの」
「ああ、口調は普通でもな」
それでもというのだ。
「折り目正しいしな、今だってな」
「今もというと」
「お箸の使い方も」
それもというのだ、見れば土佐はカレーライスの大盛もっと言えば大盛どころか三人分あるそれを食べている。朱奈は焼き魚定食だ。
「それもな」
「これもなの」
「先っちょしか濡れてないからな」
箸がというのだ。
「姿勢もいいし物腰も丁寧で」
「それでわかるの」
「やっぱりな」
何といってもというのだ。
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