第二章
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「勉強しないと」
「そこまでしなくていいよ」
篤志は楓にこう告げた。
「流石に」
「けれど勉強にはね」
楓はその篤志に言葉を返した。
「やっぱりね」
「現地行くのがいいっていうのかな」
「ええ、フィールドワークが大事だっていうから」
それでというのだ。
「実際にね」
「京都まで行ってなんだ」
「勉強しないと。日本史のレポートもあるし」
「それ言ったら授業で何処かが舞台になる度に」
常にとだ、篤志は楓に話した。
「そこに行かないといけないよ」
「そうかしら」
「じゃあ世界史でローマ帝国の授業したら」
「イタリアに行くとか」
「そこまでする?」
「そう言われたら」
「お金も時間もかかるね」
楓にこのことを話した。
「そうなるね」
「そうね」
「だからね」
「そこまではなの」
「しなくていいよ、もうね」
「そうなの」
「確かにフィールドワークって大事だけれど」
それでもというのだ。
「大学の先生の論文や研究ならともかく」
「いいのね」
「高校生の授業位なら」
「それでいいの」
「確かにレポートのこともあるし」
それでというのだ。
「京都のこと調べるのはいいよ」
「そのこと自体は」
「けれど現実部活もあるし」
「そうね、吹奏楽部もね」
楓も篤志も所属している部活である。
「コンクール近いし」
「練習頑張らないとね」
「そのことがあったわ」
「岡山から京都って新幹線ならすぐにしても」
「新幹線ってお金かかるし」
普通の電車よりもだ。
「普通の電車なら時間かかるし」
「そうだね」
「ええ、それで金閣寺とか池田屋の跡とか源氏物語に縁のありそうな場所巡ったら」
「普通に二泊三泊だよ」
「旅行ね」
「学者さんならそこまでするけれど」
フィールソワークに時間をかけるというのだ。
「けれどね」
「学生としては」
「高校生位だとね」
「そこまでしなくていいのね」
「そうだよ、ネットで細かいところまで確かめて」
そうしてというのだ。
「それでいいんじゃないかな」
「そうなのね」
「そうだよ、だからね」
「京都に行くことはないのね」
「それは幾ら何でも無理だよ」
篤志は少し苦笑いになって述べた。
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