95 遠方の出来事
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、杉山君!?」
振り向くと自分の好きな男子がかよ子を呼んでいた。
「お前、結構頑張ってるよな」
「うん、でも今日は声が小さくなっちゃったよ・・・」
「大丈夫だって。お前、結構いい声してたからよ。自信持てよ!」
「う、うん・・・!あ、そうだ・・・」
「あん?」
「昨日、東京のりえちゃんが杯を盗られそうになったんだ」
「マジか!じゃあ、昨日の爆破事件のグループと赤軍一人が逮捕されたっていうのはそれが関係してんのか?」
「うん、赤軍は東京のテロリストと組んで杯を狙ってたらしいんだ。隣のお兄ちゃんの従姉のお姉さんが東京へ向かって何とか守れたけどね・・・」
「あいつら・・・。もしかしたら、今度はお前の杖かもしれねえ。気を付けろよ」
「うん・・・!」
りえは自室のピアノを弾いていた。途中、ピアノの上に飾っていた色紙を見る。
(皆・・・)
この色紙は夏休みに清水に遊びに行った時、友達になった子達からの寄書だった。
(かよちゃん、杉山君・・・。私も、絶対にこの杯は渡さないわっ・・・!!)
りえは誓った。遠くの友達と共に元の日常を取り戻すと。
別の日、かよ子の元に手紙が届いた。よく見ると・・・。
(りえちゃんからだ・・・!!)
かよ子は封を開けて手紙を読んだ。
かよちゃんへ
この前、私の杯を狙ってきた人たちがいたわ。でも友達と一緒に何とか追い払ったわ。それに、北海道から来た人も助けてくれたのよ。その人はかよちゃんの事、知ってたわ。実家が清水って言ってたから、もしかしたら、かよちゃんの知り合いかもね。それじゃあ、またいつか会おうね。私は今度のピアノコンクールの関東大会に向けて頑張るわ。
りえ
(りえちゃん・・・、やっぱり、あの事件に関わってたんだ・・・!!北海道の人ってのはやっぱり隣のお兄ちゃんの従姉の人だよね・・・)
かよ子もまた遠くの友達とこの日本を守って元の日常を取り戻すと誓うのだった。
そして、時はまた進んでいく。
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