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八条学園騒動記
第五百九十一話 巨匠の嫉妬その一

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                巨匠の嫉妬
 ジミーはジョルジュにその手塚治虫のことを話した。
「もういつも漫画描いていた人だったけれどね」
「だからあれだけの数の作品残せたね」
「一日四時間の睡眠時間が普通で」
 ジミーはまずは手塚治虫の睡眠時間から話した。
「そして徹夜もね」
「していたんだ」
「結構多かったらしいよ」
 徹夜で漫画を描くこともというのだ。
「そんな風にね」
「いつも描いていたんだね」
「そうだったけれど」
 それがというのだ。
「他の漫画家さんの作品を見てね」
「嫉妬していたんだ」
「うん、当時人気のある作品をチェックして」
 そしてというのだ。
「野球漫画も読んで」
「あの人スポーツに縁は」
「感じないよね、けれどね」
「それでもだったんだ」
「売れていたら」 
 その作品がだ。
「もう何で人気あるんだとか作者さんにこれだけ描いて人気があるなんていいなとか」
「言ったんだ」
「それで柔道漫画にもね」
 こちらのジャンルの作品にもというのだ。
「人気があったらね」
「嫉妬していたんだ」
「それで自分が描けなくても」
 スポーツものはというのだ、実際に手塚治虫はスポーツものとは最初から最後まで縁がなかったと言っていい。
「人気で負けるかってなって」
「それでなんだ」
「面白い作品を描こうってね」
「必死になっていたんだ」
「うん、毎日ね」
 そうだったというのだ。
「あの人はね」
「そうだったんだ」
「確かにずっと当時の漫画界の頂点にいたけれど」
 このことは事実だった。
「それでもね」
「ずっと描いていて」
「他の人気のある漫画家さんに嫉妬して」
 そしてというのだ。
「自分もってなって」
「描いていたんだ」
「自分が描けるジャンルの作品でね」
 そちらでというのだ。
「そうしていたんだ」
「それが驚いたよ」
 ジョルジュはこの言葉を心から言った。
「自分のジャンルでなんだ」
「作風も変えたけれどね」
「それでもだね」
「自分が描ける中でね」
「やっていったんだ」
「スポーツは描けなかったけれど」
「それでもなんだ」
「ギャグ主体の作品もなかったけれどね」
 手塚治虫は作品の中にギャグを入れることはあったがそれでもギャグ漫画を描くことはなかった様である。
「それでもね」
「負けまいと思ってだね」
「描いていったんだ」
「そうだったんだね」
「それでね」
 ジミーはさらに話した。
「名作を多く残していたんだ」
「凄いことだね」
「嫉妬を抱いても」
 それでもというのだ。
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