第四章
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「そうだよな」
「ええ、公平に仲良くね」
「引き取った家の人達がしっかりしているから」
「それでね」
「子供育てること出来なくて」
「ワンちゃんを飼うこともね」
このこともというのだ。
「出来ないわね」
「そんな人達だな」
「そうよね」
母も頷いた。
「あの人達は」
「だからもう一家全員から縁を切られて」
「親権もなくしたのよ」
「そうだな」
「他の命がどんなものか」
「わからないんだな」
「最初は大事に可愛がっても邪険にしたら」
母は批判する声で言った。
「最低よ」
「本当にそうだな、俺もな」
洋介は母に真剣な顔で言った。
「そんな連中には絶対にならないからな」
「そう、ああはなるまいってね」
「そう思わないとな」
「本当にあの人達は最低の人達よ」
「最低って言っても色々あるけれどな」
「そのうちの一つよ」
間違いなくそうだというのだ。
「だからお母さんもそう思うわ」
「犬と一緒になったら最後まで大事にする」
「そして自分の子供はね」
「何人でも公平に大事にしないとな」
「駄目よ」
「そうだよな」
「そのことがわかったら」
それでというのだ。
「肝に銘じることよ」
「そうだな、絶対にあんな連中にならない」
「それが大事よ」
「本当にな」
「あんたも結婚して子供が出来て」
それでというのだ。
「そうなったらね」
「ああ、絶対にな」
「あんな人達みたいなことはしないことよ」
「それまで可愛がっていた相手を邪険にしたりとかな」
「間違ってるから」
母もこう言った。
「人としてね」
「そうだよな、ふわりを見て本当に思うな」
「ふわりは多分ね」
母は本を読もうとして老眼用の眼鏡を取ろうとした、しかし。
そこでふわりがその眼鏡を咥えて持って来てくれた。母はその眼鏡を受け取ってふわりにお礼を言ってからまた息子に話した。
「愛しているし愛されたい、お手伝いして喜んでもらいたいのよ」
「それだけなんだな」
「そうよ、こんな心の奇麗な娘いないわ」
「俺もそう思うよ」
「誰でも邪険にしたらいけないけれど」
それでもというのだ。
「ふわりみたいな自分を愛してくれてお手伝いしたい子を保健所に送るとか」
「最低だよな」
「そうよ、自分を想ってくれる相手がわからなくて」
「それで邪険にするとかな」
「罰が当たるわ」
「だから親権取り上げられて親戚全員から絶縁されたんだな」
「二人共ね、こんないい娘のこともわからない位だから」
そうした輩共だからだというのだ。
「そうなったのよ」
「そんな連中になったら駄目だな」
「ええ、じゃあ私達はこれからもね」
「ふわりと一緒にな」
「暮らしていきましょう」
「そうだな、じゃあふ
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