第一章
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かってはいけない
国崎洋介はいつも家では愛犬ふわりを可愛がっていた、ふわりは彼だけでなく家族全員によく懐いていた。
それで毎日だった。
家族が家に帰ると尻尾を振って玄関まで迎えに来て外に出る時はやはり尻尾を振って見送った。そうしてだった。
家族が何か近くのものを取ろうとしたりするとだ。
咥えて持って来てくれたりした、洋介はそんなふわりダークブラウンの毛のトイプードルの女の子黒い目をきらきらさせた彼女を見て言った。
「ふわりって本当にいい娘だな」
「そうよね」
洋介の母由里子もふわりを見て答えた。
「可愛くてね」
「よく気がついていれてな」
「ものを持って来てくれてね」
「そしてな」
それでというのだ。
「仕事や遊びに出る時も帰った時も見送ってな」
「いつもそうしてくれてね」
「何かあったら近寄ってくれてな」
そしてというのだ。
「心配してくれたりな」
「励ましてくれて」
「そんなことをしてくれるから」
それでというのだ。
「いいよな」
「こんないい娘いないわよ」
「外見も可愛いけれど」
それだけでなくとだ、洋介は話した。
「性格もな」
「凄く可愛いわね」
「ああ」
実際にというのだ。
「こんないい娘いないな」
「本当にそうよね」
「うちに引き取ってよかったよ」
「そうね、ただね」
ここでだ、母は。
どうかという顔になってだ、ふわりを撫でながら言った。
「しかしね」
「しかし?」
「何でこんないい娘をあの人達は捨てたのかしら」
ふわりを撫で続けつつ言うのだった。
「それがわからないわ」
「それな、最初はな」
洋介は母が撫でるふわりを見つつ母に話した。
「あの人達物凄くな」
「ふわりを可愛がっていたの」
「そうだったんだよ」
母にこのことを話した。
「家に行ったらな」
「そんなに可愛がっていたの」
「自分の実の娘みたいにな」
その様にというのだ。
「可愛がっていたんだよ」
「それがなの」
「ああ、捨てたんだよ」
「保健所に送ったのね」
「保健所に送ったらな」
洋介は顔を顰めさせて言った。
「保護犬になって里親が見付かったらいいけれどな」
「そうじゃないとね」
「可愛がっていたんだよ」
洋介はこのことは事実だったと話した。
「本当にな」
「そんなにだったの」
「何でもペットショップで奥さんが見て一目惚れして」
そしてというのだ。
「こんな可愛い娘いないってな」
「そこまで言ったの」
「旦那さんにお願いして」
洋介はさらに話した。
「買ったってな」
「そうだったの」
「奥さんから二人の家で直接言われたよ」
「ペットショップで買ったって」
「相当金もか
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