第一章
[2]次話
犬へのクリスマスプレゼント
ラーメン屋の店員として働いている国崎洋介は家で同居している父の文太に考える顔でこう言った。
「もうすぐクリスマスだよな」
「ああ、ケーキト鶏肉とワイン買ってか」
父もすぐに応えた。
「飲んで食うな」
「俺達はそれでいいけれどな」
洋介は食後のお茶を飲みつつ父に言った。
「ふわりのことがあるだろ」
「そうか、ふわりがいたな」
「そうだよ、ふわりはどうするんだよ」
こう父に言うのだった。
「プレゼントしてやるか」
「プレゼントは毎年してるでしょ」
母の由里子が言ってきた、昔風の美人であり黒髪が整っている。
「鶏肉をね」
「骨取ってか」
「それであげてるでしょ」
「いや、鶏肉はいつもやってるからな」
「それはそうね」
「鶏肉じゃな」
クリスマスプレゼントにならないとだ、洋介は言った。
「どうにもだろ」
「そういえばそうね」
「だから他のプレゼントをな」
「あげるべきっていうのね」
「そうだよ、ふわりは何がいいんだ?」
洋介はふわりに顔を向けて彼女自身に尋ねた。丁度彼女はすぐそこにいていつも通りよんほんあしで立っている。
「クリスマスは」
「ワン?」
そう言われてもだ、ふわりは。
首を傾げさせるばかりだ、母はそのふわりを見て言った。
「クリスマスってこともわかっていないみたいよ」
「そんな感じだな」
「じゃあ毎年の鶏肉もあれか」
「いつもと同じね」
「ご飯って感じか」
「そうみたいね」
「そうか、それでもな」
ふわりはわかっていなくてもとだ、洋介は言った。
「プレゼントはあげないとな」
「ふわりも家族だからね」
「ああ、本当に何がいいかだな」
「そこは考えるか」
父も言ってきた。
「家族でな」
「そうするか」
洋介は父にも答えた、そしてだった。
三人で話したがこれといったものは出なかった、それで洋介はどうかという顔になってそれで両親に言った。
「ペットショップに行ってな」
「それでか」
「何をあげるか決めるの」
「そうするか」
こう両親に言った。
「ここは」
「そうするのね」
「ああ、犬へのプレゼントだとな」
それならというのだ。
「やっぱりペットショップとかな」
「ホームセンターとかな」
「そういうところで売ってるわね」
「だからな」
それでというのだ。
「今度彼女と一緒に行くな」
「おい、彼女とか」
父は息子に言葉を返した。
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