暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第60話:愛する者の為に
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フィーネが周囲を見渡すと、カ・ディンギルに向け飛んで行く一発を見つけた。カ・ディンギルにではなく、空に向けて飛んで行く大型ミサイル。
その上に、なんとクリスが乗っていた。彼女は大型ミサイルを乗り物にし、ロケットの様に月に向けて飛んでいた。
「ッ!?」
「クリスちゃん!?」
「おい雪音ッ!?」
「何する気だッ!?」
透達にすら知らされなかったクリスの行動。彼女が無いをする気なのか分からない4人は、メイジの相手をしながら彼女の動向を見守っていた。
クリスを乗せたミサイルはあっという間にカ・ディンギルの上空まで飛んで行き、彼女を砲口の正面に運んだ。
「だが、足掻いたところで所詮は玩具! カ・ディンギルの砲撃を止める事などッ!」
エネルギーチャージが完了したカ・ディンギルの砲口が強い光を放つ。もう発射は止められない。
フィーネは勝利を確信した。
その時──────
「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl────」
戦場に歌声が響く。その瞬間、周囲がピンク色に染まった。
それが何なのか、クリスが何をしようとしているのかを察し、フィーネと奏、翼が顔色を変える。
分からないのは絶唱をよく知らない響と透、そしてジェネシスの魔法使い。
「クリスの奴、まさか────!?」
「絶唱をッ!?」
「え? え? 何? クリスちゃん、何をしようとしてるんですか?」
「ッ!!」
「あっ! 透君!?」
困惑する響の横で、クリスが何をしようとしているのかを察した透がライドスクレイパーに乗りクリスに向けて飛び立った。
その間にもクリスの歌は続いた。歌いながらもクリスはミサイルに運ばれ、限界高度に達したところで彼女は飛び下りた。それと同時に腰部アーマーが展開し、エネルギーリフレクターが展開される。
「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl」
絶唱の効果でクリスのフォニックゲインが上昇。二丁拳銃に変形したアームドギアからエネルギーの銃弾をエネルギーリフレクターに放つと、エネルギー弾はリフレクター内で拡散せず反射を繰り返しながらエネルギーを収束させていく。
まるで蝶の羽の様に広がるエネルギー。
変化はそれだけに留まらず、二丁拳銃が変形しながら合体し一門の大口径ロングバレルのキャノン砲になる。クリスはそのキャノン砲に残りのエネルギーをありったけ注ぎ込み、カ・ディンギルからの砲撃が行われると同時に引き金を引く。クリスの攻撃はキャノン砲によるものだけでなく、背後に広がる蝶の羽の
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