暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第60話:愛する者の為に
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のは遠距離攻撃を得意とするクリスである。彼女に任せるのが適任だ。

「そう言う事なら、行くぞ翼!」
「承知!」

 奏と翼はその場で飛び上がると、クリスとカ・ディンギルの間に居るメイジ達にアームドギアを向ける。するとそこから強烈な竜巻が発生し、クリス達の周囲を包囲していたメイジ達を蹴散らしていった。

[双星ノ鉄槌-DIASTER BLAST-]

 奏と翼の連携技により放たれた青とオレンジの竜巻により、クリスの周りがクリアになる。さらに打ち漏らしたメイジを透がクリスに近付けまいと素早く動き回った。風の様に駆け、奏と翼の攻撃を切り抜けたメイジを叩きのめしていく。
 それすらも潜り抜け、クリスに接近する琥珀メイジ。その前に響が立ち塞がり、連撃を叩き込んだ。

「オラオラオラオラッ!!」

 何発も拳を叩き込まれ、琥珀メイジが押し返された。

 仲間たちが時間を稼いでくれたおかげで、クリスの攻撃の準備が整った。彼女の背中に巨大なミサイルを二発背負い、カ・ディンギルに狙いを定める。

「ロックオン! アクティブ! スナイプ!………デストロイィィィッ!」

 発射される二発の大型ミサイル。巡洋艦から発射されるほどのそれは、別々の軌道を描いてカ・ディンギルに飛んで行く。
 その内の一発は、ワイズマンの頭上を通り過ぎようとした。自身の頭上を通り過ぎようとする大型ミサイルを、ワイズマンが一瞥する。

「ッ!? ま、不味い!?」

 これは流石に邪魔されると思い、少しでも気を引こうとアームドギアを投擲しようとした。

 が、予想に反してワイズマンは直ぐに興味を失ったかのようにミサイルから視線を逸らした。

「な、何で?」

 ワイズマンの実力の程は分からないが、あれを撃ち落とせない程度の実力という事はないだろう。雑魚メイジですら魔法の矢を飛ばして遠距離に攻撃できるのだ。ジェネシスの首魁ともなれば、容易く撃ち落とせる筈。

 何故それを見逃したのか?

 奏が疑問に思っていると、不意にワイズマンと目が合ったような気がした。

「うッ!?!?」

 その瞬間、奏の背にゾクリと悪寒が走った。今までに感じた事のない感覚だ。息が詰まり、目が逸らせなくなる。

 一方で、ワイズマンの頭上を通り過ぎた大型ミサイルは真っ直ぐカ・ディンギルに向けて飛んで行く。てっきりワイズマンが止めてくれるかと思っていたフィーネは、当てが外れて慌ててミサイルの迎撃に動いた。

「チィッ!? させるかぁぁぁぁッ!?」

 フィーネは鎖鞭を伸ばし、カ・ディンギルに向け飛んで行くミサイルを真っ二つに切り裂き迎撃する。だが放たれたミサイルは二発。もう一発がカ・ディンギルに迫っている筈だった。

「もう一発は?────ハッ!
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