四十二 火影の子
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たイメージがあったハヤテだが、徐々に咳をしなくなった事実に今更ながら気付く。
肩越しに振り返って、遠ざかるハヤテの後ろ姿を見ながらアスマは咥え煙草をゆらゆら揺らした。
「そういえば、そうだなぁ…」
カカシとアスマの視線を背中に感じる。
夕顔と何故別れたのか、というアスマの問いに言葉を濁したハヤテは振り返らずに顔を伏せた。
(別れた理由…?そんなもの、ひとつしかないじゃないか)
含み笑う。人混みに紛れたその表情は誰にも見られることはなかった。
(ボロを出すわけにはいかないのだから)
「ナルの成長は目まぐるしいな」
ハヤテから話題を変えたアスマは、感嘆の吐息を零す。それを横目に、カカシも感慨深く、「そうだねぇ…」と同意した。
「こうやって、次の世代の若者がどんどん成長してきて、俺らをあっという間に追い抜いていくんだね…」
「おいおい。俺はまだまだ負けねぇぞ」
行儀悪く箸の先で、ついとカカシを指したアスマの反論に、カカシは肩をくつくつと震わせる。
同僚の笑い声に口許を緩ませたアスマは、ふと真面目な表情を浮かべた。
後ろを振り向き、暖簾の向こう側にある岩を透かし見るかのように眺める。
見えないものの、火影岩の三つ目の馴染みある顔がすぐさま脳裏に浮かんで、アスマは瞼を閉ざして笑った。
「しかしまぁ…若い世代の成長は、木ノ葉にとっては喜ばしいことだな」
ふ、と笑ったアスマに、カカシは頬杖をつきながら「──で?」と視線で促した。
「お前、やけに紅と親しいじゃない?」
「え、な、なんで」
「いやさ。紅に頼まれたからって夕顔のことをさりげなくハヤテに聞いたりさ」
カカシの揶揄に眼を泳がせたアスマは、やがて大きく深呼吸すると、煙草の火を揉み消した。
「あ──…あのな、カカシ」
「なんだ、改まって」
「実はだな…俺、紅と付き合ってるんだ」
は、と頬杖をついていた手がガクンと顎から落ちる。からかっていたカカシは一瞬、呆けた。
「あ〜…いや、言おう言おうと思ってたんだけどな…」と頬をポリポリと掻くアスマをまじまじと眺める。
「いや、今更?それ、木ノ葉の里の人間なら誰でも知ってるでしょ…」
アスマと夕日紅が恋愛関係にある事は里の中でも周知の事実だ。
それをわざわざ報告してきた同僚に呆れた声を返すと、アスマは「なに!?」と驚愕の表情を浮かべた。
「子どもができたこともか!?」
「いや、それは知らない…ってええ!!??そうなの!?」
今度こそ驚くカカシの横
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