四十二 火影の子
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木ノ葉では珍しい。その珍しい性質を持っている相手としてはアスマが適任だった。
「ナルは自来也様と妙木山で仙術の修行をしていたからね。自然エネルギーを取り込む仙術チャクラは身体能力に加え、全ての術が強化されるから、その影響もあるのかもしれない」
「ふぅむ…なるほどな」
腕を組んで思案顔を浮かべるアスマの向こうで、ピクリと誰かがカカシの話に反応する。
それに気づいてアスマの向こうをなんとなしに見たカカシはそこに座る意外な人物を見て、眼を瞬かせた。
「あれ、ハヤテじゃない」
「ああ。俺が誘ったんだ」
ぺこ、と会釈する月光ハヤテを見て、カカシはへぇ、と露わになっている片目を丸くした。
「珍しい組み合わせだね」
「えぇ…まぁ」
曖昧に笑うハヤテを横目に、アスマが「聞けよ」とカカシを肘で小突く。
「こいつ、夕顔と別れたんだとよ」
「えっ」
カカシが驚くのももっともだ。
カカシの後輩である卯月夕顔はハヤテの恋人である。
仲の良いふたりに見えたのに、何事かと胡乱な目つきでハヤテを見ると、彼は困ったように眉を下げた。
無言の肯定を受け、カカシは益々怪訝な顔でハヤテをまじまじと眺める。
「なんで?仲良さそうだったじゃない」
「……私にはもったいない女性ですから」
苦笑を口許に湛えて、食べ終えたラーメン鉢を「ごちそうさまでした」とテウチに手渡す。
ラーメンの代金を支払うと、ハヤテはアスマに「もういいですか?」と伺いを立てた。
「お、おう。悪かったな、忙しいところ」
「いえ」
アスマとカカシに会釈したハヤテは一楽の暖簾を潜って、外へ出てゆく。
ハヤテの後ろ姿を遠目に見ながら、カカシは「で?」と視線をそのままにアスマに問うた。
「紅が気にしててな。別れた理由をさりげなく聞き出したかったんだが…」
「こればっかりは当人達の問題でしょ。部外者の俺達が口を出すもんじゃないよ」
「そうだなぁ…」
頭をガシガシと掻きながら、アスマは煙草に火をつける。店主のテウチが咎めるような視線を向けたが、何も言わなかった。
「まぁ俺らって危険な任務によく就くからね。いつ死んでもおかしくないし」
「そーゆーのを気にするタイプだとは思わないけどな…」
煙草の煙を吐きながら、アスマはすっかり遠くなったハヤテの背中を眺めた。
長年付き合ってる夕顔とハヤテでも、あっさり終わりは来る。
なんとなく他人事のように思えなくて、アスマは溜息を吐いた。
「それにしても…」
頬杖をついて、先ほどまでハヤテが座っていた席を眺める。
青白い顔は以前と同じだが、違和感を覚えたその理由に思い当って、カカシは首を傾げた。
「喘息、いつ治ったんだろーね」
常に咳き込んでい
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