第四章
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「子供達は竜太兄ちゃん達が育ててくれる」
「あの人達なら大丈夫だな」
洋介も知っている人達なので安心した、父の従兄夫婦は優しくて公平な人達だ。
「そうだな」
「ああ、だからな」
「それでか」
「子供達は大丈夫だ」
そうなったというのだ。
「もうな」
「それは何よりだな」
「それでふわりの散歩はな」
ここで父は彼女のことを話した。
「今から行ってくるな」
「ああ、時間だしな」
「わかった」
「ワンワン」
ここでだった、ふわりが来て。
洋介の前に来た、見ればその口にだった。
彼の手袋があった、彼は散歩の時いつも手袋をしているのだ。ふわりはいつも散歩の前に手袋を咥えて持って来てくれるのだ。
洋介はそのふわりに笑って言った。
「悪いな、いつも」
「本当に賢い娘だな」
父はそのふわりを見て言った。
「そしていい娘だな」
「そうだよな、ちゃんとわかってな」
「持って来てくれるからな」
「ふわりの方からな」
「ゴミも拾って捨ててくれるしな」
「小さい子が来たら自分のおもちゃ持って来て貸そうとしてくれるしな」
「こんないい娘はいない」
父は断言した。
「本当にな」
「そうだよな、何であの連中はこんないい娘捨てたんだ」
洋介は首を傾げさせた。
「一体な」
「一日中吠えるとか言ってたな」
「犬は吠えるだろ、というかふわりが吠える時ってな」
「何かある時とか家族を心配する時だな」
「そんな時しか吠えないだろ、それで捨てるとかな」
「豚に真珠だ」
父はこの言葉を厳しい声で言った。
「猫に小判とも言うな」
「ああ、屑にはふわりのよさがわからないか」
「ほったらかしにした上の娘も凄くいい娘だろ」
「下の娘もな」
「馬鹿にはわからないんだ」
「ふわりのよさがか」
「そうだ、だから上の娘も最初は可愛がって後でほったらかしにしてな」
そしてというのだ。
「ふわりもそうしたんだ」
「馬鹿だからふわりのよさがわからなかったんだな」
「そうだ、お前はあんな連中みたいになるなよ」
「なってたまるか、じゃあふわり散歩に行こうな」
「ワンッ」
ふわりは尻尾をぱたぱたとさせて洋介と一緒に散歩に出た、洋介にとって彼女はとても賢くて性格もいい素晴らしい犬だった。
犬から見た家族の未来 完
2020・11・27
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