第二章
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「コロはまだ三歳だけれど」
「丁度いいな」
「ええ、じゃあね」
「一緒にな」
「飼ってあげましょう」
こう話してだった。
一家でそのチワワを引き取ることにした、チワワは毛の長い種類で雄で名前はミュウといった。その色は薄茶色だった。確かに年齢を感じさせるが。
足はしっかりしていた、そして特に衰えてもいなかった。
「キャンキャン」
「ワンッ」
コロと会っても顔を合わせた時点で仲良くなった、食べる量も普通で散歩も元気にしていてそれでだった。
息子達は母に言った、二人共父親似だが髪の毛の質は母親のものだ。
「あの子、ミュウね」
「別にお爺さんじゃないよ」
「そんな感じしないよ」
「別にね」
「そうよね」
母もこう言った、その犬ミュウのことを。
「お年寄りって聞いてたけれど」
「流石に歩く量は多くないけれど」
「お散歩に出ても」
「おトイレもしっかりしてるし」
「動きも遅くないよ」
「そうね、食べることもしっかりしてるし」
このことについても言及した。
「衰えてる感じはしないわ」
「そうだよね」
「お爺ちゃんって感じしないよ」
息子達はこう言った、そして。
ミュウは日々元気に過ごした、それで妻は夫に問うた。
「ミュウ別にね」
「元気だよな」
夫もこう言った。
「お爺さんっていうけれどな」
「そんな感じしないわ」
「十三歳ってな」
それだけの年齢ならというのだ。
「人間だと六十代後半、六十八歳位か」
「定年してるわね」
「そうだけれどな」
「まだまだ元気ね」
「部長のお母さんの飼い方がよかったのか」
「そのこと部長さんに聞いてみたら?」
「そうしてみるか」
こう言ってだ、夫は実際に会社で部長にミュウのことを聞いた。そして家で妻に言った。
「部長のお母さん九十五で亡くなられたそうだけれどな」
「九十五歳だったの」
「亡くなられる三日前までしっかりと歩いていたらしいんだ、お父さんは三年前だったけれどな」
その時に亡くなったがというのだ。
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