第一章
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長生き出来た犬
悠木真弓は主婦である、茶色のふわりとした感じの髪の毛を肩の長さで切っている。眉は濃くしっかりとした形である。目の光は強く真面目な風だ。背は一六五センチで胸はあまりないが脚は長くすらりとしている。三十代前半だが夫の昌介きりっとした顔立ちで黒髪を左で分けている彼は今でも夜は妻と一緒に寝ている。
息子が二人いて長男は義政、次男は晴信という。家には茶色の雑種の雄のコロもいる。
一家で一軒家で仲良く暮らしていた、だがある日夫が妻に家でこんなことを言ってきた。
「実は部長のお母さんが亡くなったんだ」
「そうなの」
「ああ、それで一人暮らしでな」
それでというのだ。
「犬、何かチワワを飼っていたけれど」
「チワワなの」
「ご主人にも先立たれていて」
そしてというのだ。
「一人と一匹で暮らしていたそうだけれど」
「じゃあそのワンちゃんは」
「部長が引き取りたかったんだけれどな」
それがというのだ。
「部長の家はもうフェレットがいるそうで」
「フェレットなの」
「フェレットって可愛いけれどな」
そうした外見だが、というのだ。
「実は狂暴で自分以外の生きものを攻撃するらしいんだ」
「そうなの」
「フェレットって鼬だろ」
「ああ、鼬の仲間だったわね」
妻も言われて思い出した。
「そういえば」
「鼬は自分以外の生きもの全部攻撃するよな」
「食べなくてもね」
「それが習性でな、それでフェレットも」
鼬の仲間でというのだ。
「そうするからな」
「ワンちゃん飼えないの」
「これが大型犬なら兎も角」
「大きくてフェレットも襲わないわね」
「そうだけれどチワワは小さいからな」
「襲われるわね」
「しかもその犬十三歳で」
夫は今度は犬の年齢も話した。
「かなりな」
「お年寄りね」
「だから勝てないからな」
フエレットにというのだ。
「引き取り手を探していてな」
「うちでなの」
「部長には入社してからずっとよくしてもらってるし」
職場の先輩としてだ。
「今も部長と課長でな」
「一緒にお仕事してるわね」
「だからな」
「ここはなのね」
「うちでその犬引き取るか」
「そう考えてるのね」
「どうだろうか」
「うちはもう一匹飼えるだけの余裕があるし」
妻は経済的な理由から話した。
「それじゃあね」
「引き取るか」
「そうしましょう、それにその子もう十三歳よね」
「犬だと結構な歳だな」
「そうよね」
「生い先短いって言うとあれだけれどな」
「最期を看取ってあげましょう」
こう夫に話した。
「一年でも二年でも」
「そうしてやろうな」
「コロにも家族が出来るし」
家の犬のことも話した、茶色の毛の中型犬で耳
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