第一章
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犬と温泉
クロはダッグスフントの雄の黒犬である、毛は長い。森家に飼われてもう三年になる。
その三年の間彼は一家の皆から可愛がられ大事に去れて育っていた。特に娘の陽菜茶色の大きな澄んだ目で薄茶色の髪の毛を左右でまげにしている小学校四年生の彼女にはそうしてもらっている。陽菜はいつも家ではクロとよくにいて笑顔でいる。
「やっぱりクロが一緒だとね」
「いいのね」
「うん」
母の加奈に笑顔で答えた、加奈も髪の毛は薄茶色である。その髪の毛を束ねて左に垂らしている。目は娘と同じ色で優しい感じの少し垂れた大きな目である。背は一五九位で均整の取れたスタイルである。
「そうなの」
「それでなのね」
「いつも一緒にクロといたいわ」
「それだとな」
一家の父である護は娘の話を聞いてこう言った、眼鏡をかけていて黒い髪の毛を左で七三に分けている。仕事は八条証券のサラリーマンで仕事は誠実で真面目で知られている。背は一七二程で痩せているが実は最近お腹が気になっている。
「今度温泉に行くけれど」
「それでもなの」
「困ったな」
こう言うのだった。
「クロをどうしようか」
「クロは連れて行けるかしら」
妻は夫の今の言葉を聞いてすぐに夫に問い返した。
「温泉に」
「どうだろうな」
「旅館の方に聞いてみる?」
「そうだな、トイレは携帯用のを持って行って」
そうしてというのだ。
「お散歩の時にな」
「処理すればいいわね」
「後はご飯を持って行って」
「食器とね」
「お水のそれもね」
そちらの食器つまり水入れもというのだ。
「持って行けばね」
「それでいいわね」
「うん、けれど」
夫はさらに話した。
「問題はね」
「やっぱりね」
「うん、旅館の方でどう言ってくれるかだね」
「最近ペットもいいっていう旅館やホテルも多いけれど」
「僕達が泊まる方はどうかな」
このことは首を傾げさせた、彼だけでなく妻も。それで夫はすぐに旅館の方にペットはいいか尋ねると。
「いいって答えてくれたよ」
「そうなの」
「小型犬なら室内でもよくて大型犬なら小屋を用意してるそうだろ」
「じゃあクロは小型犬だから」
妻は夫の言葉に笑顔で応えた。
「ダッグスフントだから」
「うん、だからね」
「大丈夫ね」
「そうだね、ダッグスフントはいいかって聞いたら」
このことを具体的に聞いたらというのだ。
「いいってね」
「言ってくれたのね」
「だからクロはね」
「絶対に大丈夫ね」
「そうだよ、だからね」
それでというのだ。
「一緒にね」
「行きましょう」
「それじゃあね」
二人でこう話してだった。
一家の温泉旅行にはクロを連れて行くことになった、クロはケースに入れら
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