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雑種が何だ
第二章
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「どうもね」
「成程、そんな人ね」
「だから別に怖がることはないから」
「わかったわ」 
 娘は母の言葉に頷いた、そして母の言葉に偽りはなく。
 その人は口調は確かにやや乱暴だが愛想がよく明るい性格で近所でも評判だった、スーパーで買いものをしたりしている姿をよく見た、その中で。
 彩菜がマロンを連れて日課の朝の散歩をしているとだった。
 その人が犬を連れて前から来た、見れば白くて長い毛の大型犬を連れている、目は黒くてきらきらとしている。
 彩菜はその人、静という名前のその人に挨拶をした、すると静は口に煙草を咥えたままで嗤って返事をした。
「おはようさん」
「お散歩ですか」
「ああ、うちの子とさ」
 静は笑って応えた。
「日課のさ」
「そうですか」
「これがまた旦那並に食うんだよ」
 静は彩菜の前に立ち止まって話した。
「もう毎日さ」
「身体大きいですしね」
「大型犬は食うって聞いてたけれど」
 それでもというのだ。
「予想以上だよ」
「確かに大きなワンちゃんですね」
「そうだろ、けれどこれでな」
 静はその犬を見つつ彩菜にさらに話した。
「可愛いんだよ」
「大人しそうなワンちゃんですね」
「身体大きいのに弱虫でさ」
「そうなんですか?」
「ちっちゃい子が来たら逃げるし」
 そうなってというのだ。
「ちょっとした物音でも驚くんだよ」
「そうした子ですか」
「あたしは高校の時イキってたけどそんなことなくて」 
 それでというのだ。
「もうこんなに大きいのに家族を守るどころかさ」
「それどころかですか」
「あたしと旦那で守ってるんだよ」
「ワンちゃんをですか」
「お嬢さんでさ、まあお嬢さんっていってもな」 
 それでもというのだ。
「こいつ雑種なんだよ」
「うちの子と一緒ですね」
 雑種と聞いてだ、彩菜は言った。
「それじゃあ」
「その子柴犬じゃないのかい?」
 静はマロンを見て彩菜に問うた。
「そんな風だけれどな」
「ワン」
「それが雑種なんです」 
 彩菜は尻尾を振って一声鳴いたマロンを見つつ答えた。
「里親募集で貰った子ですが」
「里親か。うちと一緒か」
「その娘もですか」
「ああ、前の飼い主さんが身体壊してしかも一人暮らしで飼えなくなったらしくて」
 それでというのだ。
「結婚する一年位前に引き取ったけれどさ」
「雑種ですか」
「旦那もあたしも一目見て気に入って」
「そうしてですか」
「家に来てもらったんだよ」
「そうした子なんですね」
「性格はお嬢さんで気弱でも大人しくて優しくて」
 静はその犬を見つつまた彼女の性格のことを話した。
「いい娘さ、絶対に誰かに襲い掛かったり噛んだりしないし」
「確かに」  
 彩菜もその犬を見
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