第二章
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「家族は皆癒されてるんだ」
「そうよね、コタロウ見てると癒されるわね」
妹の高校一年生の真琴も言ってきた、父や兄と同じく茶色の髪でそれをポニーテールにしている。やはりやや釣った大きな目で背は一六二位で寝間着の半ズボンから出ている脚がかなり長くしかも色白で形がいい。
「私も」
「だからよ」
「俺もか」
「そういうことよ」
母はまた息子に話した。
「だからこれからもね」
「イライラしていたらか」
「コタロウと一緒に行きなさい」
こう言うのだった。
「そうしなさい」
「わかったよ、じゃあ飯食ってな」
「学校行きなさい」
「着替えてな」
このことも言ってだ、そうしてだった。
拓海は朝食を食べて着替えてだった、学校に向かった。そして学校でも受験勉強に励みそれからだった。
家に帰ってもそうした、まさに寝る間も惜しんで勉強に励み推薦入試に励んだが彼は合格発表を見て落胆した。
「駄目だったの」
「ったく、あれだけ勉強したのにな」
拓海は家に帰って母に言った。
「それでもな」
「残念ね、けれどね」
「また受ければいいんだな」
「普通入試があるでしょ」
母は息子にこう言った。
「また勉強してね」
「そうしてか」
「受けなさい、それに他の学校も受けて」
そしてというのだ。
「第二志望の推薦は合格したじゃない」
「それはそうだけれどな」
「だったら浪人はしないし」
「気を取り直してか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「また頑張りなさい」
「ワン」
ここでだ、コタロウもだった。
彼のところに来てそうして身体を寄せてきた、そのコタロウを見てだった。
拓海はこう言った。
「コタロウもそうだって言ってるおか?」
「多分ね」
母が答えた。
「そうだと思うわ」
「そうなんだな」
「そう、そしてね」
「散歩か」
「落ち込んだまま勉強しても頭に入らないからね」
「コタロウとの散歩で気をとりなおしてか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「また勉強しなさい」
「それがいいか」
「そう、だからね」
「今からか」
「行って来なさい」
「そうしてくるな」
「ワンワン」
コタロウは拓海に早く行こうと明るい顔で鳴いてきた、そうしてだった。
拓海はコタロウを散歩に連れて行った、そのうえで彼を見て一緒にいる時間を過ごして歩いて運動をしていると。
落ち込んでいた気持ちがかなりましになった、それで家に帰って母に言った。
「何かな」
「気が上向いてきたでしょ」
「ああ」
母に答えた。
「そうなったよ」
「それじゃああらためてね」
「勉強すればいいか」
「そう、かなり気が上向いたから」
それでというのだ。
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