第111話
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不敬を承知で申し上げますが、そのような理不尽な勅命、とても受け入れられません!!」
「そうだ!我らの主はお館様――――――ゲルハルト・ログナー侯爵閣下!幾ら両殿下の勅命だろうと、我らの主であるお館様が連合の侵略に対して抵抗の意志を示している以上、お館様の指示に従うのが我らの役目です!」
するとその時一部の領邦軍の部隊長達が怒りの表情で声を上げてカレイジャスや上空に映っているテスタ=ロッサの映像を睨んでいた。
「ふざけているのは君達の方だ!”帝国解放戦線”――――国家を揺るがした所か各国のVIPの命まで脅かしたテロリストに加担した上、内戦を引き起こし、父上やセドリック達皇族を幽閉して自分達の”大義名分”として利用していたカイエン公達に協力していた事は明白じゃないか!そして内戦を引き起こした”逆賊”である貴族連合軍の結成に深く関わっていた四大名門の当主であったログナー侯に求められる”処罰”はカイエン公やアルバレア公程ではないにしても、最低でも”爵位剥奪”の”処罰”は求められて当然だ!」
「そもそも僕達アルノール皇家は今回の戦争を”和解”という形で納め、そしてメンフィル帝国に内戦の件で様々な迷惑をかけてしまった”償い”をする事を心から望んでいるにも関わらず、オズボーン宰相が独断で戦争を勃発させた為、この戦争に”エレボニアに大義は存在していません!!”」
「そ、それは…………」
「こ、皇太子殿下………」
自分達の反論に対して怒りの声を上げたオリヴァルト皇子とセドリック皇太子の話を聞いた領邦軍はそれぞれ複雑や悲痛な表情を浮かべていた。
「……………………」
領邦軍の様子を見ていたエルミナは呆然とした表情を浮かべ
「あはは、エル姉がさっき言っていた”ありえない”が現実になろうとしているよ、エル姉。」
「幾ら内戦の件で皇家に対する”負い目”があるとはいえ、この状況でまともに耳を傾ける等、理解できません………そういえばレン皇女、今の状況についてリィン少将達に連絡をしたのですか?」
「さっきから通信はしているけど繋がらないわ。ま、今頃ルーレとザクセン鉄鉱山を結ぶ地下の非常連絡通路でルーレに向かっている最中でしょうから、通信は当然圏外になっているのでしょうね。」
パティルナは呑気に笑い、我に返ったエルミナは疲れた表情で溜息を吐いた後気を取り直してレンに訊ね、訊ねられたレンは答えた後苦笑しながら肩をすくめた――――――
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